この宇宙の中で
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「神威、・・航路のこれからの予定は?」
「どうした?急に」
「本星へ戻って・・領地返還の手続きをするわ。
軍務尚書とも話をしていたの。そうすれば相続するものは一切なくなる。
・・あとは軍務尚書が全て引き受けると言ってくれたわ」
「その軍務尚書は信用できるのか?」
「彼は無口だし、本音を見せないけれど、
その時に一番必要な判断を正しく出せる
冷徹だという人もいるし陰険だと言われることもあるけれど
皆誤解をしている・・私は今ここにいて安全なのも彼の判断。
それに彼は白兵戦で助けてくれた兵学校の先輩よ」
「・・・わかった」
神威はそういうとマリンの部屋を後にしてオフェリアへ送っていくことを決めた
第七師団は再びオフェリアに降り立った
(当然補給物資は山程くれるのでこちらとしては助かるのだが。。)
軍務尚書から皇帝陛下に領地返還の申し出をしマリンは早々にサインを済ませた
ーーーー父はすでに逮捕されていた
私の身の安全も保証された
身分剥奪は仕方ない。
この前ここを出たときとは違う、もう。おそらくここには戻れない
そう思うとマリンの足は・・とある場所へ向かった
神威はホテルでマリンが見当たらないのが少し心配になっていた
一人では危険じゃないのかと。
その時あったことがある副官が神威を呼び止めた
彼は何度もマリンのことを頼んだ、彼女の関わる人全てが心配していると言った。
「見当たらないんだけど」という神威におそらくと場所を教えてくれた
副官が運転する車でたどり着いたのは丘の上
「恐らくあの木の辺りにいらっしゃいます」
「木の下?」
「シオン提督の・・墓標がありますので」
シオン・・ってマリンの婚約者・・・
神威と副官が歩いていくと、墓標の横で座っているマリンが見えた
「いつも、ああやってお話をされてました。
シオン提督がご存命の時はあの木の下で二人で並んで話して
笑って時々陛下もこられて3人で・・
亡くなられてからは陛下があそこに墓標を作られて・・
オフェリアに帰還されてる時はいつも、ああしていらっしゃいました。
・・・時々陛下もこられて
・・・神様は残酷なことをなさると思いました
陛下は親友をなくし、マリンさまは婚約者をなくし、
この国の双璧と言われたお二人が去り
・・陛下は一人になられます・・
そしてマリンさまもこの一件で身分も領地も全て無くされます
この丘に来る事も・・・
出会われて二十一年、誰がこうなることを想像したでしょうか・・
幼き日は終わったと簡単には言えません」
胸をギュッと掴まれてるような気がした。
マリンの中に彼はまだ生きているのかと。