この宇宙の中で
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そして事件は起こった
神威たちがラウンジから戻った時だった。
「イッタ〜い!!」
思いもよらない声が艦橋に響いた
「あ、司令官やった・・」
「あ、またやった」
「あ、ほんとだ、またやった」
そんな声が聞こえてマリンを見ると足を押さえて呻いている
「提督、爪。」
「言わなくていい、耐えるから」
「一回見たほうが」
「見なくてもわかるから耐える」
階段の端に思い切りぶつけた足を必死に撫でている
神威がどうした?と聞くがマリンはなんともないと答えるが顔が引きつっている
阿武兎が近づいてきて
「足をみせろ」というもマリンが必死で拒絶する
提督の顔なんぞどこにもない
「提督諦めましょう」
という兵士になおも拒絶
阿武兎はあっさり靴を脱がせてしまった。
「あ、爪割れてるぞ?血でてるぜ?」
「だからいいんですって」
こそっと兵士が教えた
「提督の最大の弱点はそれです、銃で打たれても平気なくせに
その爪が剥がれるのだけは絶対ダメなんです」
阿武兎は思わずニヤッと笑った
「これで酒のお返しができるな」そう言った
「剥がしたほうが治りが早い」
と言う阿武兎に
「痛いから絶対嫌」
駄々をこねる・・あの提督の顔はもうどこにもない
阿武兎はそれを聞いてまたにやけた
「あ、団長が!!」
そう言って神威の方を見た
「何!?阿武兎」
そう神威がいうと同時にマリンは神威を見た
その瞬間ペリッと阿武兎が剥がれかけの爪を一気に剥がす
控えめにやったとはいえ夜兎だ
力が強いのは当たり前
「いった〜〜い」
それは誰も聞いたことのない声で。
「爪ぐらいで、お前さん、どっちが本当のお前さんだ」
呆れたようにいう阿武兎は大袈裟に包帯を巻いた
「それ大袈裟」
「わざとだよ」
その様子を見て笑いを堪えるのに必死だったのは
神威を始め艦橋にいたものたち全てだった
凛として提督としての顔をしながら、足の爪の怪我だけが最大の弱点で
何回もやってるようで
その落差がまた彼女の魅力なのだと、神威はわかった。