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屯所では沖田が終を尋ねていた
「あいつ、元気にしてやしたか?」
・・実は覗いてたくせにわざと聞く・・・
”元気にしてたよ、いろいろ忙しそうだった、でも笑ってるから安心した”
「そうだった。・・承子さん、正式に嫁入りの日が決まったそうですぜ
さっき松平のとっつぁんが来て言ってましたぜぃ」
終は優しい目をして”良かった。幸せになってほしい”と言った。
「それだけでいいんですかぃ?」
沖田は終にそう聞いたが終はなんのことかわからない。
「はっきりいいますぜ。しおりのことでさぁ。いつかここでも俺は聞きましたぜ。」
しおりと付き合う前にここで沖田に聞かれて告白に至ったこと
言われなければ秘めたままでいいと思っていたことを思い出す
”総悟くんの言いたいことはわかってる”
「じゃあなんで・・」
”また傷つけたくない。もう泣かせるのは嫌だ”
「あいつはまだ終兄さんのこと・・」
”・・総悟くん、彼女まだ一回も私の前ではお化粧しません
・・あの別れの時から一度も。
会う時していたとしてもお化粧落として素顔だけです
まだきっと忘れていない。。あの夜のことは・・・
あんな悲しい思いをさせて。
また傷ついてもきっと彼女は私の前では笑って
・・そんな我慢もさせたくない
傷ついてもほしくない”
沖田は終のその悲しげで優しい顔を見たまま何も言えなくなった。
きっと終の中でもそれが傷としていつまでも残っていて
それを覆ってしまうほどに二人の関係は戻っていないんだと確信した。
終の部屋から出た沖田を持っていたのは土方だった
「終はなんて言ってた?」
土方の問いかけに沖田はため息をついて話をした。
ーーー翌日土方は店の前でタバコを蒸しどうしたものかと悩んでいた。
既に店の前で30分
チャイナに頼むか・・いやあれには無理だ
お妙。あれも無理だ
定食屋のおばちゃん・・あれも無理だ
お登勢・・絶対無理だ
じろじろ見られて限界が来た頃、ようやく踏ん切りがついた。
「す、すいませんが口紅をください。」
「は?」店員がじろじろ見る
「だから、口紅をください」
「お客様がご使用ですか?」
「ち。違う!なんで俺が!・・ぷ、プレゼントだ!」
「どのようなお色味がよろしいですか?」
「色?色?・・・・・そんなにあるのか?」
サンプルをずらりと並べられ体が固まる
女ってのはこんな色の中から選ぶっていうのか?
めんどくせえ。と思いながらも
責任感からか真剣に選び始める。
”あいつはピンクって柄じゃねえ、が赤ほど派手でもねえ
地味すぎもいけねえ・・ってことはだ・・・
どの色だ。似合いそうなのは・・・・”
その真剣な眼差しに店員が何も言えなくなった頃
「これ、こいつにします」
土方が選んだのはオレンジベージュの口紅だった。
それを包んでももらい向かったのは終のところだった。