大事なもの、欲しいもの
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ーーー一週間後
終はしおりを連れてその家に向かった。
屯所から5分もかからないその家では正吉が待っていた。
「必要なものは揃えておいたよ」そう正吉は笑った
土間があってそこにはろくろや陶芸の道具が揃っていて
窯は外に小さいものなら焼ける電気の窯が用意されていた。
室内も生活道具が揃えられ
“足りないものがあったら、買いに行く“終はそう書いた。
「こんなにしてもらわなくても」そういうしおりに
”これぐらいはさせて欲しい“と返した。
正吉はしおりに新しいロクロや窯の使い方を説明していく
終はその姿を黙って見ていた、
屯所では松平が訪れていた
「ってことは、なんだ〜、終の相手はあの元女中か。
今や将軍かお抱えの陶芸家か。」
「そういうことで」
「灯台下暗しっつぁ、こういうことだなあ、まあ。いいんじゃねえか。
承子も新しい見合い相手が見つかって、なんとかなりそうだからなあ。
終はどうなんだ?」
「こっちはどうにかなりそうで、全くなりませんが」
「なんで〜い?それは?」
「終ですから」
「・・・そうだったな、終だったな、小難しい男だなあ。あいつは」
「うまく行って欲しいとは思ってもなかなかうまく運ばないもんですな・」
「そりゃ〜〜、
その辺にいるイケイケ姉ちゃんと簡単に付き合えるような
男じゃねえから仕方あるめえよ。
でなきゃ〜すぐ承子は終にやられてらぁ」
「そんな身も蓋もない言い方をしないでも・・」
「ま〜こっちはこっちだカタがついた。
その報告しにきただけだ。
終はああいう男だから気にしてねぇはずがない」
松平はそういうと屯所を後にした。
終はその話を近藤から聞き、ほっと胸を撫で下ろした。
“幸せになって欲しい“心からそう思った。
しおりは終が用意した家で暮らし始めた。
そよの陶芸の先生として週に一回は登城
それ以外は自分の作品作り
もう一つ加わったのは、子供達への手ほどきだった。
粘土遊びの延長の手捻りから教え始めた。
変わったといえば、身なりが多少マシになったぐらい。
化粧はしていないがゲジ眉はそれなりに(あくまでそれなりに)整えられ
髪は結ってはいないがきれいに一つに括られている。
着物は何もない状態で江戸に来て。正吉から譲られたものと
高すぎて袖を通せないそよ姫から贈られた物。
何もない状態から一気に衣装持ちになっていた。
・・・・終は。。というと
相変わらず。
近くにいるからと言ってもしおりのところへ出向くのは最低限。
本人を見に行くという点では
すでに近藤並みだと事実を知っている沖田は思っていた。
終は、いまだ遠目でもしおりを見られればよかった。
ーーーー「あれ、なんとかしないとゴリラ2号になるぞ」
銀時は物陰から終の様子を見て言った。
「全く会おうとしなかった時期を考えれば、まだ会うようになった方ですぜぃ。
会っても見事なソーシャルディスタンスを保ってやすが・・」
「なんか作戦ねえのかよ。」
「仕方ありやせんぜ、終兄さんの性格としおりの性格で
拗れまくった結果がこれでぃ。」
「多分、チャンスはかなりあったと思うんだがなあ」
銀時はあの時もこの時もどの時も終が動けば、
しおりが気づけば今頃うまく行ってんじゃないか
思うことが多々あった。
ーーーー終は・・怖かった。ーーー
また傷つけそうで、やっとここまで関係を戻せて壊したくなかった
しおりも怖かった。
また同じ苦しい思いを繰り返したくなかった
ーーー恋人に戻れなくてもたまに会って話して笑い合えれば十分だと
二人して思っていた。ーーーー
本当は誰よりもお互いが必要で思い合っているのに。
それはまたお互いが抱えるストレスになって体に影響する
終は下痢、しおりは胃痛
トイレに行き詰めの終に胃薬が手放せないしおり
沖田は終の腸を心配し
銀時はしおりの胃を心配し、患う場所の違いはあるが
消化系統を仲良く二人患うから
本当に似た物同士なんだと呆れるやら感心するやらの銀時達だった。
二人をなんとかする策を練ることは極めて苦手な沖田は土方にその役を投げた
「な、なんで俺が」そういう土方に
「地雷いっぱい仕掛けたん誰だ?」と銀時に言われ
近藤には頼み込まれ渋々作戦を考えることになった