大事なもの、欲しいもの
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しおりは考える
なんでここまでついてないのかと
“江戸に来て恋をしたまでは良かったけど
結局また山に戻って今度こそはと頑張った
結果が出てようやくこれからというときに終が来た
訳のわからないうちに帰ってるし(←しおりも鈍感)
山は焼けるし、村は追い出されるし
いくとこないし・・・“
「心の声だだ漏れじゃねえか」
正吉の言葉に我に帰った。
「あ」
「飯食え。握り飯。」
しおりの前に大きな握り飯が差し出された。
「足、ちっとはマシになったか?」
「かなりマシになりました。」
傷だらけの足を見てしおりは答えた。
「びっくりするぜ。足は擦り傷で裏もボロボロで、
格好も埃と泥でぐちゃぐちゃで
誰かと思えばお前さんだ、
まさか武州から山越えてここまで歩いてくるとは
思わなかったぜ、途中でなんかあったらどうするんだ」
「交通費もなかったし。。歩くしかなかったから」
「ほとんど飲まず食わすでな」
「一応里を出るときはお握り持たせてくれたんですよ」
「無事にここについたのは奇跡だぞ。」
正吉が呆れるように言った・
「まあ、ここにいるのは内緒にしてあるから、安心しな。
押入れの下に隠れるとこあるしな」
・・実際新撰組も探しに来たし、銀時も探しに来た。
押入れの下に隠れる場所を作って正吉はしおりを隠していた
真選組ではしおりが行きそうな場所は全て洗い尽くした。
しかし一向に見つからない
わかってきたのはしおりは鉄道を使わず、歩いて移動したのではないかということだった。
ある日山崎が報告にきた
「副長、もしかしたら正吉窯にいる可能性が。。。」
「前に調べなかったか?」
「はい、でも、正吉が薬とか買ってたのが・・・」
「薬?」
「傷薬です。でも正吉はピンピンしてますし
以前は玄関先だけだったから
詳しく奥までは見てないんです、
何か悪いことしてるわけじゃないんで」
「・・もう一回詳しく調べろ」
「はい、すぐ調べてきます」
部屋を出た山崎の報告にもしかしたらという思いもあった。
その日山崎が張り込んでいたら正吉が夜慌てて外出したあとを着けていくと
薬局で薬を買いまた家に戻る
何を買ったか確認すると解熱剤
しおりさんは確実にそこにいると山崎は思った
こっそりと様子を探ると正吉の隣人も夜中様子を見にきて
バタバタしている
薬が必要だったのはしおりさんだ、確信の元屯所へ急いだ。
土方にすぐ報告に行くとしおりには気の毒だが
今しか連れて行くチャンスはないと
急遽御用改で沖田と山崎を向かわせた。
普通に屯所に来るはずがないとふんだ土方は強引な手段をとった。
正吉のところへ行くと
流石に御用改では中に入れないわけにもいかず
奥の部屋で寝込んでいたしおりを発見した。
「悪いが、このまま屯所に運ぶ」
沖田はそう言ってしおりを抱き抱えると
車に乗せた。
山崎は
「安全確保のために連れて行くだけですから、安心してください」と
耳打ちした。
土方は具合の悪いしおりを寝かせ医者をよんだ。
「足の裏の怪我が原因で発熱しただけでしょう、
かなり足の裏の怪我はひどいですが
殺菌剤を投与したので効いてくると思います
それにしてもどこを歩かれたんでしょうか、
あちこちに怪我をされてますよ」
医者の話に悪いと思いながらその足を見た。
刀疵などではなく。おそらく歩いてできたもの。
江戸まで歩いたか・・・きつかっただろう。
土方は薬が効いて眠っているしおりの布団を掛け直し部屋を出た。