大事なもの、欲しいもの
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それは突然だった
ーーーー山火事が起こった。
火は山を覆い尽くし、しおりの家、麓の神社を焼き尽くした。
しおりはなんとか逃げ出し、命だけは助かった。
いつもお世話になっていた農家に身を寄せて3日後だった
「しおりさん、話があるんだが」
村長がしおりを呼んだ
後ろには一部の村の人達が怖い顔で立っていた。
「あの?」
「しおりさん、あの山火事はあんたんとこの登り窯が原因だろ?
火の不始末でもあったんじゃないのか?
ここで火が出る理由なんてあんたのとこしかないんだよ。
山だけだからよかったものの、里に燃え移ったら大ごとだった。
しかも神社まで燃やして、どうしてくれるんだい?」
「うちの登り窯じゃありません、もう火は消してました」
「じゃあなんで山から火が出るんだい?
しかもあの山はあんたのところの山」
山から火が出たのは事実だけに何も言えない。
黙ってしまったしおりに
「この里から出て行け」と言われて俯いた。
皆が帰ったあと、お世話になっていたおばさんから言われた
「申し訳ないけど出て行ってくれるかい?
朝になったら里からいなくなっておくれよ
・・・あんたはもうここに住めないよ。誰も相手にしないだろうから」
しおりはついにこの里にすら住めなくなってしまった。
将軍家から真選組に連絡が入ったのは山火事の二週間後。
松平から近藤へさらに土方に連絡が入った。
「大変なことになった、しおりさんの登り窯と家が山ごと火事になった
しかもしおりさんの行方がわからない」
土方は言葉をなくした
「まさか、火事で・・」
「いや、助かって、なんとか農家の家に世話になってたんだが
火事を出した犯人にされて・・
身一つで里を追い出される羽目になったらしい。
でも行方が全くわからないそうだ」
「江戸には?」
「列車に乗った形跡がない。駅でも見つからなかったそうだ。」
「あいつが火を出すはずがない・・」
「俺もそう思う、まず犯人を見つけ出す、
そしてしおりさんを探し出すが
将軍家からの命令だ」
土方は隊士に指示を出した
事実を知った終は愕然としていた。
ーーーー山火事の犯人は思いの外簡単に捕まった
元婚約者の仲間達だった
前は真選組の女中だったせいもあり巻き込まれ
今度はそれに加えて将軍家お抱えの陶芸家
そして以前の恨みつらみで本来の目的は山火事で殺すつもりだった。
ただしおりが山を熟知していたこともあり助かっただけだった
取調室では沖田が斬りかからんばかりの凄みで取り調べを行った。
その日のうちに犯人は処分された
残るはしおりだった
・・3週間っても見つからない
生きているのはわかっているが、行方がつかめない。
終は気が気でならない・・
さらに問題は将軍家
何せ将軍家お抱えの陶芸家とも言えるしおりがいなくなった
しかも山で家が焼失
特にソヨは心配で仕方ない
「先生はご無事なんでしょうか?早く探し出してください」
そう指示を出していた。