大事なもの、欲しいもの
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タスキをかけて薪を割っていると
「見事な筋肉質だねえ」
古株女中の富子さんが感心したように笑ってる
「アンタの家、陶芸やってるって?」
「父が陶芸を生業としてるので、自然と私も」
「それなのになんで女中に?」
「人と全く会わない生活なので見かけもこの通りだし
叔母はこのままじゃ山姥で人生終わるって
連れてこられたんですけど・・ちょっと」
「合わないんだろ?ここってか江戸が」
「まあ、こんなに人がいるところも初めてだから」
「でもここはアンタがいた武州出身が多いから
みんな田舎もんだから・・それでも
ここに慣れたんだよ。大丈夫さ。安心しなさいな」
「ありがとうございます」
富子はニコニコしながら、じゃ食堂で待ってるよと言って歩いて行った
食堂に向かっていると「きゃあ~~!!」という悲鳴が聞こえた。
何事だろうと思って言ってみると
ゴキブリが出たようで、逃げ回ってる
なんだ、と思って這っている黒光りしているそれを、そのまま室内ばきで踏ん付けた
「きゃ~~。踏んだ~~〜」
「うそぉぉぉ」
「信じられな〜い」
そんな声を意に介さず、室内ばきの裏洗ってきますと食堂を出た時
アフロ髪の3番隊隊長が呆気に取られた顔で見ていた
「山猿はさすがね~、私怖くて無理ぃ」
そういう彼女たちの
そんな言葉にも耳をかさず横を通り過ぎた
そう言われても仕方ないと思う
あれは至って普通の反応。
蛇も蜘蛛もゴキブリも全部平気なんだから。
そんなの怖がってたらあの山奥で生活は無理。
ムカデも大きいし、基本昆虫は全部大きい・・大きすぎるんだから。
ここのゴキブリなんて可愛いもの
それから害虫駆除も私の役目になった。