大事なもの、欲しいもの
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「戻っても何の変化もなくか」
土方は定食屋で銀時と話をした
「俺のところにも少し顔出しただけだ。
大方お姫さんの相手が忙しかったせいもあるだろうがな」
「ああ、それか、
偉くそよ姫が彼女を気にったらしくてな、
江戸に住んだらって何でも行ったらしいが断って帰ったらしい」
「アフロは?」
「何も言わねえ。態度も変わらねえ。・・ずっと前の終に戻った感じだがな」
「オタクの3番対隊長は仕事はできるんだがな・・・
恋愛に感してはからきしだめだな。
でも肝心お相手のしおりだってだめだからな。
二人して同じタイプだから前には進まない。
肝心のことがなかなか言えないからな、
今思えばよく付き合えたなと感心するわ」
「どうしたもんかな」
「副長権限でなんかできねぇのか?」
「んなもん、あるかよ」
「アフロを山へ送り込むってのはどうだ?」
「ああ??」
「姫さんから連れてこいと言われたとかなんかないか?」
「そんな簡単に行くかよ。
まず終が動かね?あ〜・・・そうだよ、肝心なことが抜けてる」
「何だよ?」
「終の破談話をあいつは知らない・・」
「あ・。忘れてた。」
「俺は言った覚えはないし、終も会ってない・・
祝いも返せてない」
銀時と土方は顔を見合わせてから、肩を落とした。
屯所に戻った土方はその足で近藤の元へ向かった。
近藤は終の相手がしおりだったことは知らない。
「どうした、トシ。改まって」
「すいません、近藤さん、時間とらせて」
「かまわんが、何かあったか?」
「・・終のことなんですが・・・」
「ああ、結婚の話はちゃんと片付いたから、
安心しろ
終にも伝えてどこか安心したようだったぞ、
終も両親に破談することは報告したと言ってた。」
「近藤さん、終の相手は」
「・・俺にはわからん、
でもな、トシ・・終はずっと苦しんでたと思う。
俺たち、先走って
終ががんじがらめになっていたことに気づかなかったからな。
終にも承子さんにも・・終の相手にも悪いことをした」
「近藤さん、・・終兄さんの相手、しおりですぜぃ」
土方が言おうとする前に襖にもたれかかって立っていた沖田が言った。
「えええ~~」驚きの声をあげた今度は土方を見て口をぱくぱくさせていた
「土方さんも、今頃分かったんですかぃ?」
「。そ。そ。総悟、しおりさんってどういうことだ?」
「終兄さんもしおりも、
二人してお互いに迷惑をかけないためにって隠してたんですよ。
みごとに誰にもばれやせんでしたぜ」
「それで急にやめたのか?」
「父親が倒れたのも大きかったとは聞いてますが、
まあ、ここを離れるきっかけにはなったはずですぜ」
「何で言わなかったんだ?分かってたら・・」
「あんなにみんなで盛り上がって、
あの女を持ち上げて終兄さんとさんざん二人きりにしたりして
世話係も辞めさせられて
・・しおりだって折れまさぁ。」
近藤は沖田から知る限りの二人の付き合いを聞いた。
そして終がもう諦め切っていることも。
「近藤さん、終に休暇をやってくれませんか?」
「トシ?どういうことだ?」
「二週間、終に休暇をやって・・武州へ・・」
「しおりさんのところに行かせるのか?」
「あいつは終が破談になったことも知りません。
祝いも預かったままです」
「・・終に直接言わせ・・・・ん~~、いや言えんだろ??」
「終には話します。」
「休みを取るのはかまわんが。。。終が言ってくれるといいがな・・」
近藤、土方、沖田さ人とも終の顔を思い出して頭を抱えた・
近藤と土方から突然二週間の休みを申し渡された終は何か失敗でもしたかとあたふたした。
「なくしたもん、取り戻してこい」土方のその言葉に顔をあげた。
「そういうことだ。終、まだ彼女は婚約破棄のことは知らないんだろう?
ちゃんと伝えたほうがいい」
俯いていた顔をあげた終は二人を見た。
「ちゃんと事実は伝えてこい。終」
近藤はそういうとニカっと笑った。
終は部屋に戻るとしばらく考え込んでいた
行こうかどうしようか。
婚約破棄を伝えたところで何かが変わるんだろうか。
「終兄さん、何やってんです?これ・・明日の切符でさぁ」
沖田が手渡したのは・・故郷へ帰るためのチケット。
そこに彼女はいる。
いつか見た陽に焼けた笑顔でいるのだろうか
それとも別れの日見た綺麗な彼女なんだろうか。
「会いたいなら迷わず行くべきでさぁ。それだけで十分な理由になりまさぁ」
「総悟君」
「あ。声出したw」
思わず出した声に自分でも驚いた。
「もう、隠す必要もない、あとは終兄さんとあいつ次第でさぁ」
終は翌朝武州へ向かった。大事な人に会うために。