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「終、松平のとっつあんがお前を訪ねてくるって、
お前なんかヘマでもしたか?」
近藤にそう言われて考え込むも全く身に覚えがない
土方も沖田も頭を悩ます。
昼過ぎ、松平が屯所を訪れた
「シマルゥ〜〜、居るか〜〜」
慌てて近藤たちが出迎えた。
座敷で松平、近藤、土方、終が座り何事かと近藤はハラハラしていた。
「あ〜〜。しまるぅ・・おめえにいい話を持ってきた」
「・・・・・・・」
「これだ。ありがたく受け取れぃ」
座敷机の上に置かれたのは見合い写真と相手の釣書
「とっつぁん、見合いですか?終に?」
「ああ、近藤はあれだろぃ。土方もあれだろ〜。じゃあ、終だ。
年から言っても所帯を持って良いころだ、武州の親も安心するだろ」
「で、どこの娘なんですか?」近藤が聞くと
「これだ」
見合い写真に写る女性は大人しそうな可愛い女性だった
釣書には”松平承子”と書かれていた
「松平って・・とっつあん・・」
「俺の遠縁の娘でな。最近花嫁修行に来てるんだ、
年は終より1つ下だ。
少し人見知りだが、終も口が少ないしちょうどいいだろ?」
終はいきなりの話に驚きながら断らなくては、と焦った。
しかし松平は強引に見合いの日を設定してきた。
近藤や土方にはスケッチブックで
“まだ見合いや結婚は考えられない”と後で話したものの
「会うだけ会え」土方にそう押しきられた。
沖田はこっそり話を聞いていた。
“終兄さん、どうするんでぃ、しおりのこと言わなきゃだめですゼィ“
そう呟いた。
結局、吉日にお見合いの席は設けられた。
近藤と土方が終に付き添った
向こうは松平と妻と見合い相手
・・・二人しておとなしい、終と見合い相手・・・・
周りが盛り上げて話す、話す。
二人きりにされて庭に出されたものの、
終も何を言うわけでもなく
彼女も何を言うわけでもなく
無言で終わった見合いだった
“多分、断ってくれるだろう”終はそう思っていた。
だが彼女の方も同じ思考だった。
結果、松平が推しまくり彼女に終としばらく付き合うことを了解させた
その話は嫌でも女中衆の中で広がっていった。
しおりはその話を聞いて動揺しなかったといえば嘘になる
長い時間をかけて終との関係を育んできたから。
でも、終に確かめるのも気が引けた。
二人の関係は・・・秘密だったから。
お互いに迷惑をかけることを怖がった。
「閉まる、松平のとっつあんから返事が来てな、
お付き合いをしたいと返事があった」
驚いたように顔を上げた終は慌てた。
それを勘違いした土方は
「落ち着け、終。嬉しいのはわかるが。
まあ、なんだとっつぁんの遠縁だ
ちゃんと付き合えよ。」そう言った
その場を退席した終はそのままトイレに直行。
お腹は素直で、ストレスが一気にきた。
しおりの顔が浮かんだ
ちゃんと断らなければ。・・・トイレの便座で座りながらそう思っていた。