大事なもの、欲しいもの
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その日のうちに父に身の回りのものを適当に風呂敷に詰められ
さっさと行けと言わんばかりに山を下ろされた。
また下りて愕然
里村の風景はのどかだけど、私の格好だけが・・・
かなり昔の時代劇に出て来そうな古ぼけた格好。
山奥だけにいるとこうなるのか。
山猿になるのか。
20歳なのに・・・なんて思っていた。
適当に着替えさせられて髪も結んで、眉はげじ眉太いままで
江戸という大都会まで連れてこられた。
「お世話になるのはここよ」
そこは“真選組 屯所“と書かれていた
「ここで女中でもやれば、ちょっとは山猿も治るでしょう。
最も20歳まで山猿の子なんて貴方ぐらいだけどね」
普通は16ぐらいで女中になるらしい。
16って私は山の中にしかいなかった。
叔母さんに近藤局長いう人のところまで連れていかれた。
いくら田舎者でも偉い人だということぐらいはわかる。
「いや〜遠路遥々すまなかったね。疲れなかったかい?」
そう言って話しかける近藤に
「しおりと言います、よろしくお願いいたします」と挨拶をした。
屯所では新しい女中が来るとみんな色めき立っていたが
実際近藤と話しているしおりの姿を見てガックリしているのが大半。
口の悪い連中は
ゴリラと山猿が話をしていると言い出す始末
土方もフォローしたいがフォローの上手い言葉が見つからず
まあ素朴でいいんじゃねえか?
程度しか言えない
「武州の山猿でいいじゃねえですか」
沖田はお世辞のかけらもなかった
「総悟、それは言い過ぎだ」
「土方さんもそう思ってんじゃねぇですか?」
そしてボソッと
同じ武州出でも姉上とは大違いだと呟いた。