大事なもの、欲しいもの
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小さな荷物だけをとりあえず持って屯所を出たのはいいけれど
身内もいない江戸の町
途方に暮れて考え込むしおりの頭に浮かぶのは武州に帰るしかないということだった
土方が去り際渡した封筒には武州に帰っても余るほどのお金が入っていた。
一応、気を使ってくれてるんだと少しだけ、ほんの少しだけ心が軽くなる
「やっぱり。明日、武州に帰ろう、うん、それがいい」
終の顔がよぎると胃がキリキリしくしく痛む。
「イタタ」そう言って胃の当たりをさする
「お〜い、しおり」
名前に反応して振り向くと銀時が立っていた
「どうした家出みたいな荷物持って」
“こういう時に優しく声かけられたら少し泣きそうになる“
「??どうした?おい?なんか泣きそうな顔してるぞ。どっか痛いか?」
「・・胃が痛いです。シクシクキリキリしてます」
「おい。大丈夫か??」
「屯所まで送るか?」
「首になったので戻れません」
「はあ?お前こっちに知り合いもいないのにか?」
「仕方ないです。」
「・・・・とりあえず来い」
そう言われて万事屋まで連れて行かれた
ソファに座っていると新八がお茶を入れてきた。
「何があった?」
そう聞く銀時に元婚約者がやったこと、攘夷志士だと言ったこと
関係者である以上屯所にはいられないこと
全部話した。
そして明日武州に帰ろうと思うと。
「ヅラに聞いてみるかな」と銀時はいった。
「今日はここでよかったら泊まって行け、ソファだけどな」
銀時の心遣いでヒロインは一晩泊めてもらうことになった。
ーー翌日。
「おーい。銀時。用事って何だ?」
そう言いながら部屋に入ってきたのは桂だった
「お〜、ヅラ、待ってた」
「ヅラじゃない桂だ!」
いつも通りの言い回しの中しおりに目を止めた
「客人だったか、申し訳ない」
「お前に聞きたいことがったんだよ」
そういて銀時はしおりの元婚約者のことを聞いた。
「そんな奴いたかなあ?」
「知らねえの?」
「その男は知らん義攘派は知ってるぞ
、今は数名しかいないと聞くが。金で買われたやつかもしれんしな。
その女子には飛んだ迷惑だったな、
・・・まあ、何だ、気を落とすのではないぞ」
腕組みをして桂はそういうものの、しゅんとしている彼女を見てなんとかしてやろうと思った
しおりはその日も万事屋に泊まった。
翌日ははいつもなら正吉窯に行く日だった。
「少し出かけてきます」
そう言ってしおりは出かけて行った。