大事なもの、欲しいもの
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ーーー大江戸博覧会が開かれた晴れた日ーーー
真選組は警備に駆り出された。
しおりは朝から落ち着かなくて、正吉からもらった着物に袖を通して
一応髪を括って(いつもなら縛るという感じ)
出かけるところだった。
「あれ?山猿、どうしたんでぃ?」
「今日は休みだったな、親父さんに会いに行くのか?」近藤が聞いた。
「はい。久しぶりに会ってきます」
「行き先は一緒だな。博覧会会場だろ?・・特別だ乗って行け」
そう言ってをパトカーに乗せた。
「なんで親父さんが?」
土方がそう聞くと近藤が代わりに答えた
「しおりのオヤジさんはな、武州じゃ有名な陶芸家でな。
将軍家お抱えでありながら、武州に住んだっていう
ちょっと変わりもんだ
でも今回は作品展を博覧会でやってくれるってことになってな
将軍奨励賞を取ったた作品がいくつも並ぶんだ。
初日の今日だけは将軍も来るからこない訳にはいかないらしくてな。」
沖田も土方もしおりの父親がそんな有名とは知らず、驚いていた。
会場へ着くとその足で父の元へ。
久しぶりに会うというのに開口一番がこれ・・・
「しおり、久しぶりだな、・・あんま変わらんま。お前」
「何が?」
「ちょっとは小綺麗になってるかと期待してたが、山の中と変わらん」
「そんな簡単に変われたら、今頃私は人生変わってるわ」
「・・そうだなあ、でももうちょっとマシにならんか?」
「今までそんなこと言ってないのに?」
「江戸で綺麗な人たくさん見たらなぁ、で今これだ」
「・・・山奥から出さなかった自分を恨みなさいよ〜」
猿と山猿の会話を沖田は笑いを殺しながら聞いていた。
「そう言えば終は?」
土方が他の隊士に聞いた
「斎藤隊長は警備に行かれてます、交代時間は1時間後です」
土方は交代時間まで作品を見て回る
興味はない、全くないが・・・とりあえず見る
建前上見て歩くのだが。
他の客が「これで家一件買えるらしいわよ」
そんな話を耳にしてマジマジと作品を見る
これで家一軒ってどういう基準なんだ?
近藤は父親と話をしていた
「相当な値段がもう着くんでしょうな」
「値段はわしがつけてるんじゃないからな。
勝手にもうけてるんだろ。
俺がもらったのはあの山だけだ」
「・・山ですか?」
「武州の山一個じゃ。人と関わるのが好きじゃなくてな。
連れ合いが死んだこともあって
あいつを連れてこもることにした」
沖田も山と聞いてびっくり、あれ個人の持ち物だったと初めて知った。
・・にしても
こもるのは良いが、しおりを山猿化させたのは紛れもないこのオヤジだ。
人とそんなに拘ってない分
素直だしスレてもいないが___。
それで良かったのか。おい。、と思う沖田だった
隣にいた近藤もよく似たことを思った。