大事なもの、欲しいもの
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「しおり、大丈夫か?」気遣う銀時に
「大丈夫です、逃げられたのも、山猿も事実ですから」そう言って笑った
沖田はさっきの経緯を簡単に銀時から聞くと
「屯所に帰った方がいい」としおりの背中を押した。
「旦那、送ってくれやすか?まだ仕事中なんで」
そう頼まれてしおりを屯所まで送ることになった。
沈黙の後
「聞いていいか?」
銀時は黙って歩くしおりに声をかけた
銀時を見るしおりはいつもと変わらない顔で見てくる
「ここへくる理由ってさ、あれが原因だったわけ?」
「あれ?」
「あの男」
「・・それだけじゃないです、
私・・・ずっと物心ついてから山奥で暮らしてて
父がたまたま知り合いの方から紹介されたあの人との結婚を決めて
でも、あんな山奥で住めないですよね。
それに私も綺麗じゃないし
で、逃げられて。でも仕方ないんです、ほんとに見た目もこれなんで。
叔母が、そんな私を心配して、このままじゃ山姥になってしまうから
都会で過ごさせたら今よりマシになるだろうって
物好きも出てくるかもって・・出てこないんですけどね」と笑った。
「お前。そんなに悪くないぞ」銀時はそう言って笑った。
銀さんだけですよ、としおりも笑う
屯所前まで送るとしおりは中へ入っていった。
銀時はフッと気になることを思い出した。
これがしおりを窮地に追いやることとは思いももしない銀時だった。
屯所に戻ったしおりは
部屋に帰ろうとしたが、土産の団子があることを思い出した。
”斎藤隊長にあげるんだった。”
きた廊下を戻り終の部屋へと歩いた。
縁側でボーと座っている彼はしおりの姿を見るとペコリと頭を下げた。
「お土産のお団子です」
差し出すしおりに縁側をポンポンと叩く、座れと言ってるのだとすぐわかる。
斎藤はしおりを座らせたあとちょっと待ってとジェスチャーをしてそこを立った。
数分後お盆を抱えてやってきた。
そこにはお茶が二つ
「私がやるべきことなのに」
そういう彼女に終はニコッと笑って
“一緒に食べましょう“書いたとスケッチブックを出した。
真ん中にお盆を置いて庭を見見ながら団子を一本ずつ
静かで穏やかな時間を過ごす
ーーー休日、夕方の密かな楽しみになっていった。