大事なもの、欲しいもの
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「お〜い、総一郎くんじゃないか〜」
その時、ふいに声をかけてきたのは銀時だった。
「デートか?」
ニヤッとする銀時に沖田は紹介した
「武州からきた山猿でぃ。うちで女中してますぜぃ」
「山猿って、言い過ぎだろ?」
「山猿でいいんですぜぃ。な?」
「もう山猿でいいです」
「山猿に芋侍。いいじゃねぇか」
「そうですね、故郷も一緒ですから。それでいいですよ」
ーー銀時はそこで思い出した。
「ゲジ眉だけどなんとも素朴で可愛い子が団子を買いに来るんだよ
地味な格好してるけどきちんと挨拶して話をしてくれるいい子なんだよね
今時の子にはいないタイプの子だ」
団子屋の親父がそう言ってたことを。
銀時がまたしおりに会ったのは5日後
かぶき町の団子屋の前だった。
「お。また団子屋か、好きだな〜」
そういう銀時と並んで団子を食べることになった。
「今日は食べてくかい?」
「はい」
その話を聞きながら銀時は親父さんの顔を見た
「銀さん、この子はいつも持って帰るんだよ。部屋で食べるんだよな」
「なんだ、ここで出来立て食う方がずっとうまいぞ。
銀さんがいる時は一緒に食うか?」
しおりは戯ける銀時に笑って頷いた、
それからはたまに並んで団子を食べる。
そして土産を買っていくしおりを見て
「誰のだ?」と銀時が聞くと「斎藤隊長です」と笑う
「公務員のzさんか」とぼそっという。
しおりはzさんの話は知らないから独り言で済ませた。
「あいつ、喋んないだろ?」そういう銀時に
「ご存知なんですか?」と聞いてくる
”ご存知も何も大変だったんだよ”と言いたいところを抑えて
「知ってるぜ」と言った
「斎藤隊長、最初はほとんど喋らなかったんですけど
最近は一言二言ぐらいなら喋ってくれるので
それを繋げると何が言いたいのかわかるようになりました」
そういう彼女に
”いや、普通そこまで君が苦労しなくてもいいんだけどね”と思う銀時がいた
ーーー事件は銀時といるときに起こった。
「あれ?しおりじゃないのか?」
浪人風な男が団子屋にいるしおりに声をかけて来た。
銀時はその男としおりを見た
しおりは石になったみたいに固まっている。
「おい、知り合いか?」
銀時がそう聞くと頷いて
「武州で結婚するはずだった人です」
そう答えた。
「結婚?」
「ええ。逃げられましたけど」
「ええ??」
銀時は二人を何度も見る
その男の後ろにいた別の男がずいっと前に出た。
「おい、こいつかお前の言ってた山猿女って」笑いながら言う
そして銀時に向かい
「お前さ、この山猿に捕まったのか?可哀想に。」
「いい加減にしやがれ、その言い草」
銀時は立ち上がった
「俺は結構気に入ってんだよ、なんか文句でもあるか?」
雰囲気が最悪になりかけた時声が聞こえた
「旦那〜なんかありやしたか?」
ーー沖田だった
「総一郎くんか〜」
「しおり、なんかあったのか?」
沖田が前にいる男たちを見た。
一人の男が耳打ちをする
「やべえぞ、真選組の沖田だ」と。
「山猿、さっさと消えろ。田舎に帰りやがれ」
そういうと走り去っていった。