絡み酒の女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
終は会社の場所を知っているし、茉莉は終は屯所にいることは知っているから・・・いざとなれば訪ねてばいいかと思うことにした。
でも、ちゃんと話がしたい、そう思う終はとにかく話す練習を始めた。
自室で壁に向かい、そこに彼女を思い浮かべ
「おはよう」「今日は」「今日はいい天気ですね(夜だが)」思いつく言葉をぶつぶつと話す小さな声で囁くように言う。
毎日一人の時はボソボソとコソ練を繰り返していたある日土方さんに呼ばれてなんだろうと向かい合って座ると神妙な顔をして
「終、お前の部屋幽霊出るのか?」と聞かれた
訳がわからなくて首をかしげて、“どうかしたんですか?“と聞くと
「総悟たちがお前の部屋の中から変なボソボソした声が聞こえて、壁に向かったお前が見えて、幽霊がいてとりつかれたんじゃないかって」
“至って普通ですが?“
「疲れてないか?」
“はい。なんともないです“
「。。疲れてんのは総悟達かもしれんな・・戻っていいぞ」
“失礼します”
そう言って席をたったはいいが、まさか見られていたとは・・・。もうちょっと気をつけて練習しなきゃだめだ、終は気を引き締めてまた練習を始めた。
壁に向かうとまた言われたら困ると、今度はZ帳を小声で読んでみたり、本を声を出して読む
小さな努力を日々、重ねていく終の姿がそこにあった。
そんな中でまた神様は機会をくれた。
っていうか、大江戸ビルの前で終も警らが終わって帰るときに茉莉も退社時間だったことで
偶然あえて、そのまま終は隊服で食事に出かけたり
かぶき町で買い物をしていた茉莉と会ってお茶を飲んだり
繰り返していても、終は自分から誘うことはなかった。
それは恋愛成就の願掛けみたいなもので、ちゃんと話せるようになるまでは自分からは誘わないというもの。
自分を好きになって欲しいという願掛けとも言えた。
ただし偶然会うのはオッケーという甘さも加えているのが終だ。
そして今日も壁に向かって話しかけ、Z帳を小さな声で読み、言葉を書いては読み、ちょっと手紙を書いては読み、鏡に向かってかつてやった笑顔の練習
難しい、でも鍛錬、と繰り返すが周りは終がおかしくなったと騒ぎ出し始めていた