絡み酒の女
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ーーー当日終は珍しく隊服を脱いで着流しを着てみた、が、彼女は仕事終わりだからスーツ
自分がこれだとなんかおかしい気もする、やめようと箪笥の引き出しを開けて暫し悩む
自分が持ってるのはシンプルなシャツ、黒か白、・・それともニットか。
服を引っ張り出す姿を襖越しにのぞいていたのは沖田だ。
「終兄さん、何やってんですかぃ?」思わず声をかけるとあたふた挙動不審な様子に部屋に入ると
「服、・・って。まさかデートですかぃ!?”
沖田は思わず終の顔を見ると耳まで真っ赤になってて、それでもスケッチブックに“ご飯に行くだけです”と書いて見せてるけれど、
明らかにデートですと言ってるような顔。
“終兄さんもこういうことがあるんだ“
と思いニヤついて顔を見るとこれ以上悟られまいとするようにタンスに視線を戻して
緩やかなラインの幾何学模様のシックなニットセーターを手に取り、黒のパンツに合わせた。
一応、沖田にこれでいいかとジェスチャーで見せて意見を聞く
「いいんじゃねぇですかぃ。終兄さん。洋装にあいますゼィ」そう言って笑った。
大江戸ビル前、約束の時間10分前に終は到着した、
かつては遅刻や寝坊の悪い癖もあったが真選組でずいぶん治った、すぐ寝る癖はなかなか治らないが大事な場面での遅刻はない。
人間遅刻や寝坊で大変な目に合えば流石に懲りるというのは経験したからだと思う。
ビルのエントランスから走ってくる茉莉の姿が見えて思わず姿勢を正して迎え、ペコリと頭を下げた。
「お待たせしてすみません」そういう茉莉に“早く着いてしまったので気にしないでください”とスケッチブックに書く。
「今日縁日がこの近くであるんです、行ってみませんか?食事の後でもいいですし」
“縁日で何か食べたいですね“
「それもありですね、そうしましょうか?」
二人はそのまま縁日へ向かって歩いた。
モールの中と外に特設された縁日は賑わっていて、子供の要にはしゃぎたくなるような楽しい気持ちになる
二人は食べるより前にヨーヨー釣りに興じて、ここで終は得意げにいくつも引っ掛けて取っていく、
かたや茉莉は不器用さを露呈して一回で針を落として2回目挑戦するも同じで終の得意げな様子を笑ってみていた。
最後はヨーヨーを一つもらって、それを茉莉に差し出した。
「ありがとうございます」そう言って指に通してポンポンと跳ねさせて笑うと終もにっこりと笑った。
終は自分でも驚いていたわざと笑わないでも普通に笑えた。
射的も終はお手の物、しっかりお菓子を何個か落として全部茉莉あげて
小腹が減るとたこ焼きを半分こで食べて、お互い青のりがついていると指差して笑い
美味しそうな焼き芋も半分に割って食べて。
終は不思議だなと思う、・・・・・こうして半分ずつ食べる行為って親近感が増す。
出会ってからそんな時間もたっていないし、顔を合わせた時間なんて少ないのにドキドキしている自分に気づく。
その日は結局縁日でずっと過ごして、茉莉はお菓子やヨーヨーやスーパーボールがたくさん袋に入れて楽しい気持ちで過ごした
お酒抜きの縁日デートといったところだろうか。
ーーーー二人は童心に帰って楽しんで別れた。
そして二人は気づく
「あ。連絡先聞くの忘れた」____と。