絡み酒の女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
終は自分の中の変化に少し驚いていた、イライラしてきた。なんだろう、ほんとにイライラする。
肩を抱くホストは仕事柄そういうのに慣れているが、茉莉はそうじゃないけど酔っているのか気にしていない様子
手を握って顔を近づけた時、沖田は思わず終を見た。
すくっと立ち上がると、そのまま茉莉の手を握っていたホストの手を払うとぐいっと引っ張って引き寄せる
「痛い〜も〜〜何すんのぉ」その声に銀時がドキッとなる。この声。まさか。
既に一線を超えていたようで絡み酒一直線に入りかけ?入ったか?
でもこの日は終も普段と違う、「連れて帰ります」そういうと鞄を持ち店を出ようとする
その時依頼書を銀時は忍ばせた
「痛いよ、斎藤さん、何すんの〜〜〜離してよ〜〜も〜〜〜」絡む絡む。
終はいつもと違って無言のままでズンズン歩く。
タクシーに乗り込んで茉莉の部屋まで行くと、ドアを開けさせてソファに座らせて水を飲ませた。
「・・・・いい加減にしなさい」
低〜い声で終が凄んで叱った。
無言で終を見る茉莉はこんな顔も声も聞いたことがない、
だっていつも優しい顔であたふたで途切れる声で。
終は確かにイライラしていて、何故か怒りが言葉を紡ぎ出していく。
こんなのは初めてかもしれない。
「斎藤・・さん?」からみ酒が一気に醒めていくほど怖い顔
「あんな風にするのは私だけにしなさい」
「。。。はい」
神妙な顔で終を見つめる茉莉はこの言葉をどう受け取るべきか考え込んでいた。
おちゃらけて聞いたらもっと怒りそうで、でも気持ちは知りたい。
ーーーーーだって。自分は好きなんだから。
絡み酒が転じて涙が出てきた。
「え?茉莉さん?あ、あの茉莉さん?」慌てる終はイライラがその涙で吹っ飛んであたふたに変わる。
「すみません、すみません」思わず誤る終に
「すみませんてなんですか〜〜」今度は彼女が絡み酒に戻る。
また胸ぐら掴まれて揺さぶられる、毎度のパターンだ。でも嫌いじゃない。
でも泣きながらは初めてで戸惑う、
「だって、だって、私だけにしなさいって何〜〜〜!」ぶんぶん振り回されながらさっき言った言葉をに対して言ってるんだと気づく
「それは、」
「それは〜?・何??」
ごくんと口の中にたまりつつあった唾を飲み込んで言うぞ、絶対言うぞと自分を奮い立たせて
「あなたが、・・好きだから・・です」
無言の時間が続いて茉莉はじっと終の顔を見ている。
「あの。・・・聞いてますか?」確認のため終が言うと
「。。聞いてます、聞いてます、聞いてます〜」
抱きつく茉莉を思わず受け止めて抱きしめ返すと
「大好きです」腕の中にいた茉莉がそう言った。
嬉しくて終はもうギュ〜〜っと抱きしめてしまう。
茉莉も同じようにギュ〜〜ッと抱きしめ返す
いつものからみ酒の量より少なかったのか、酔いは覚めていた茉莉は「嬉しいです」と笑った。
「酔ってないですよね?」と一応終は朝になったら覚えてませんってことがないように茉莉に確認した。
「もう酔ってません、なんでしたら足し算とかしますか?」
悪戯にそういう茉莉に思わず笑う。
_____終はそんな茉莉にそっとキスをした。
そして終は気づく、自分は結構実は手が早かったんだと。
思いが通じるまでは時間がかかるが、通じてしまえば・あとは一気に・・・・・・・・・。
何度か一緒に眠ったベッドで二人は肌を寄せて熟睡していた。
終の腕はしっかりと体温と肌を感じるみたいに茉莉を抱きしめて・・・・・・
翌朝目覚めた二人は照れ臭そうに笑い合いキスを交わした、前とは違う朝でクスクス笑う。
ーーーーーそしてこの日は朝ごはんは二人で作って食べた。
銀時が忍ばせた依頼書はこの後読まれ、照れて仕方ない終は茉莉を抱きしめて真っ赤になった顔を誤魔化した。
そして茉莉の依頼書も読まれて真っ赤になる。
「お互い、なんか万事屋さんに頼むなんて、もっと早く言えばよかった」そう言う茉莉に終は頷きながら長い長いキスを贈った。
万事屋で報告を受けた銀時は
「結局あの合コンで成功ってことか?アフロがいい感じで嫉妬して
丸く収まったと」
茉莉はうなずいて礼を言った。
「で、あの夜はなんかあったんだろ?」ニヤニヤする銀時に言葉が詰まってアタフタする
「アフロ、案外手が早かったな〜、」
「知りません、もう!」
「まあ。仲良くやりな、やりなってそっちじゃないぜ〜」
揶揄われながら万事屋を後にした茉莉は今夜やってくる終のための夕食の買い物に出かけた。
ーーーーえ?お酒?
終の前のからみ酒は許されているものの、終がいないところでは禁酒、もしくは自宅でしか飲んではダメですと言い渡された茉莉はそれを遵守する生活を送っている
それなりに厳しいところもある
しかし、終はなんだかんだ言ってもたまにはからみ酒で振り回されたい。
おかしな二人で、お似合いな二人で、幸せな二人がそこにいる。