アヒルの子はアヒルでいい
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でも夏海は楽しいという。
それこそ深い付き合いでもあれば体全部に触れたりするからわかることもあるがキス止まりのふたりには無理なこと。そんな中で1番に気づくのはやはりアゴミだった
「夏海、ダイエットしてるでしょ」いつものお茶の時にじろりと夏海の顔を見てそう言った。
「・・してる」
「どうして?前の状態がベストだったでしょ?維持はできてたはずよ?」
夏海は終が綺麗だねと言ったグラビアの女性の話をして、自分も綺麗だって言われるぐらいになりたいと思って、ダイエットを始めたと答えた
アゴミはため息をついて優しく笑い
「アンタはまた空回りして、バカだね、アンタはアンタらしくていいの。
そのままのアンタをあの隊長は好きになったんじゃないの?
あの隊長のために綺麗になりたいとかいじらしいとは思うけど方向が違うわよ」
しっかりアゴミに叱られて慰められて夏海は家路を急いだ
”早く仕事が終わったら連絡する”終は夏海にそう約束をしていた
ーーー夜の帷が降り始めた頃
終は隊服から私服に着替えてお登勢さんの店のそばで待ってくいた
夏海に差し出された手を握って歩き出すと終は歩調を合わせてくれる
「おでん屋さん、行きましょうか?」終はそう言って土方と行ったおでん屋に向かった。
終は握った手が薄くなってることも気付いていたし、頬が少しこけているのも気づいていた
どこか悪いのなら医者へ連れて行ったほうがいいかもと、そんなことも考えていて今日はちゃんと聞こうと思っていた。
あの日と同じ席に座って終は何を食べますか?聞いてくる
夏海はダイエット中だから頭の中で食べられそうなものを探す
「大根とこんにゃくで」
「それだけでいいの?」
終はまた心配になる。
美味しそうには食べてくれるし笑顔もくれるから、つまらないんじゃないそれは安心するけれど
あまり食べない。
もう少し食べて欲しくて、厚揚げを半分こにして、はんぺんも半分こ
お酒は飲まないでお茶だけで、終は熱燗一本
会話は楽しいし、何も変化はない、ただ前のように食べてくれないだけで。
店を出てから「少し歩きませんか」と夜の散歩で公園へ向かった、
夜の公園はどこか静かで街灯がぽわんと周りを照らしていて、まるで二人きりの世界のような気さえする
池のそばのベンチに座ってまた手を握りあう
気負うことなく自然と交わすキスも、額を合わせて笑い合う
「夏海、どこか体調悪くない?」真面目な顔でそう聞いた
夏海は驚いたような顔で終を見て、首を横に振ったけれど何度も確認するからダイエットしてることを告白した。
「どうして?」
「終さん、細い方が好きだと思って・」
「?????」
終はそんなこと言った覚えもないし、夏海に細くなってほしいとか全く思ってもいない
痩せこけられるのは嫌だけど、太るのは全く気にしていない。
これがうまく伝える術がメモ帳では伝わらない、大きく息を吐いて夏海に向き直ると言葉を選びながら話始める