アヒルの子はアヒルでいい
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ーーーー久しぶりに屯所に出向いて終の部屋で話をしていると山崎が訪ねてきて「これ、頼まれてた雑誌です」と置いていった
障子を閉めないで開けたままで夏海と過ごすのは終の気遣いではあるが、あっていても誰かは必ずやってくる
終は障子を占めてもいと思うのだが、何か、勘ぐられるのも嫌で開けたままにしている
「なんの雑誌ですか?」
「ここの特集が見たくて」と開いたのは花火大会の特集、終さんの故郷の花火大会もあった
それ以外は綺麗な女性のグラビアだったりがあって、終さんはそう言うものも気に留めず平気で見ている
「綺麗な人ばかりですね」というと
「そうですね、綺麗ですね」と普通にいう
夏海の拗らせはだいぶ成りを潜めているもが根底にはまだ残っている
終は綺麗な人は素直に綺麗だという・・ただ本当に素直に言ってるだけで他意はないが
夏海はそこが汲み取れない、付き合い始めで無口な終のこう言う素直さに気づいてない
拗らせ夏海は余計なことを考えてしまう。
どんなに痩せて周りから綺麗になったよと言われても以前の自分を対象にしてのことだと自覚している
「この方も綺麗ですね」と夏海が指さしたのはほっそりとした浴衣を着た女性
モデルなのだから細くて当たり前で一般人と比べるのが間違っている
終はそう言う感じで受け止めていて、
「確かにほっそりして綺麗ですね。」と答えた
ーーー夏海はわかっていなかった
終にとって自分が好きな人は雑誌に出て来る人や関わりのない人と違って全く別で見かけなんでどうでもいいのだ
例えば顔はパーツが揃ってればなんら問題はなく、太っていようと痩せていようと健康であれば問題なく
それよりその為人と自分のこの性格に合うかどうか、ちゃんと生きているかどうか、お互いを理解できるかどうかで
だからこそ、以前の夏海のいいところもちゃんと見つけていた。
ただ綺麗な人を綺麗とはっきり言ってしまうのも終で、それは単純に見ただけのことで
それ以上でもそれ以下でもない
好きな人とは立ち位置がそもそも違う。のだが夏海はそうじゃなかった。
終が好きだからこその想いがあって、拗らせてることもあって・・・
夏海は綺麗にならなきゃと言う想い沸々と心の中で生まれていた
もう少し痩せよう、毎日欠かさない運動にまた運動をして、必要最低限の栄養以外は取らなくなった。
綺麗になりたいと思うのは終のためで、嫌われたくない、と言う気持ちが大きかった
でも鏡で見ても細くならない、もともと骨格が大きい夏海にかぼそくなるのは無理な話
それでも努力しなきゃと思い込んで追い込んでいく
夏海は自分で勝手に思い込んで空回りしていることに気づいていなかった
終はデートでも以前のように食べなくなった夏海が心配になってくるし痩せたように思えてどこか悪いんじゃないか、それとも自分は何かストレスを与えてしまったのかと気が気じゃない。