アヒルの子はアヒルでいい
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屯所で一通りの事情聴取を終えたのは夜で、土方はまた「終、送ってやってくれ」と言った。
屯所出口へ向かう途中で終はお茶でも飲みますか?と夏海にメモを見せた。
「はい」と返事をする夏海を終は自分の部屋の縁側に連れて行った。
“いきなり部屋に入れるのは良くない”という配慮から
縁側に座布団を敷いて夏海を座らせると終が自分でお茶を入れ湯呑みを二つ持って一つを手渡した
終は一口お茶を飲むと、胸に手を当てて“メモは禁止、話すぞ”と心でいい
小さい声ではあるものの「今日は大変でしたね」と言葉を口にした。
「はい?」終の声に驚くようにうわずった声が出て夏海は終の顔を見つめてしまった
滅多に聞かない声を今日は何回聞いただろうか?
「今日はありがとうございました」夏海はペコリと終に頭を下げてお礼を言う
「とんでもない」そう言って終もペコリと頭を下げる
「それにお茶までありがとうございます」
「これぐらいとんでもない」
またペコリ・・・。
「・・・何やってんだ?あの2人は?」土方は遠目から見ていたものの頭を下げ合う様子しか見えない。
「いい感じだろ?あいつら」ぬっと銀時が現れて土方は驚いて目を見開いてしまった
「何勝手に入ってんだよ?」
「夏海を迎えにきたんだが、・・いらねえ世話だったみたいだな」
「2人でペコペコ頭下げてるだけだがな」
「でもいい感じじゃねえ?」
「あの2人何かとかぶるんだよなぁ、食べもんも行動もな。おでん屋じゃ笑ったぜ。全部被るんだからな」
「・・・・じゃあ、俺先に帰るわ、アフロにちゃんと送らせてくれや」
銀時はそういうと屯所を後にした。
翌日夏海は
西郷やあごみたちのお礼を言いたくてかまっ娘倶楽部に顔を出した
「夏海、昨日は大変だったわね〜」アゴミはいつものように両手で頬を挟んで至近距離で話しかけてくる、でもこれがないとアゴミじゃない気がして寂しいと思う
「もう落ち着いたみたいだね」西郷が座敷に座ってニマッと笑った
「あんたが泣いてて驚いたよ、結構無理してたね?」
「え?」
西郷たちに嘘はつきたくない、夏海はかつての屯所でのことや今回の犯人のこと、そしてあの現場にいた人の反応、男の子の話、洗いざらいしゃべった
「それであんたはその時どう思ったんだい?」
「・・途中でもういいかなって・・諦めかけた、怖かったけど、泣けなかった。でも西郷さん達が来てなんかホッとして涙が出た」
「あんたがここまで親しく懐いてくれてあたし達は嬉しいんだよ。大事にしたいんだ、それだけは覚えておきな、いくらでも助けてやるから、ちゃんと口に出しな」
「あとはあの隊長とのこと考えて見ようよ、私、お似合いだと思うわよ?」アゴミはそういうと
昨日のことを全部言わされて、その後うまくいくわよ絶対と励まされた。