アヒルの子はアヒルでいい
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方や夏海は、終からもらったメモを片手にニヤニヤしっぱなしで、スマホのカバーに忍ばせては暇さえあれば見ている
好きだともなんとも告白されてないけれど、言ってくれるとは思えないけれど2人で食事に行けることがすごく嬉しくて仕方なかった
そんな夏海の表情をアゴミは見逃すはずがなく、いつも決まった時間にお茶を飲む2人は行きつけのカフェで向かい合って座ると
「なんかいいことあったでしょ?」といきなり聞かれて
「いや。あの・・その」と言葉に詰まる
「夏海、・・説明してくれるわよね?」
「あの・・ね」夏海はおでん屋での出来事、親子丼のこと、帰り道のことを話した、そしてメモを見せた
「まあ〜綺麗な字を書くんだね、お習字の先生みたいに綺麗な文字ね。っていうか、口で言わないのね」
「斎藤隊長は口下手というか殆ど喋りませんよ」
「メモが必須ってわけ?」
「スケッチブックの時も・・あったりして」
「色々大変そうね・・ってかそれでもいいのね、あんたはさ」
「ええ。でもご飯に行くだけだから」
「そこから始めればいいのよ」
恋する少女のような笑顔を見せる夏海を見てアゴミは拗らせが少しましになってるじゃないと思った。
ーーーそしてこの恋が成就するように願った。
水曜日、予定時間きっちりに終も夏海も落ち合った。
今日は私服姿の終に少しドキドキする、
実は夏海もアゴミに渡された洋服を着ていた、夏海に似合いそうな落ち着いた雰囲気のワンピース
お互い、またペコリと挨拶をする
“行きましょうか”終はそういうとゆっくりと歩き出した。
夕方、家路に急ぐ人の間を歩きながらどこへ行くのだろうと思い、ついてゆくと家のようなところに着いた、そのまま終に促されて入るとそこは一軒家を改装した隠れ家的な店だった
“ゆっくりできて静かな方がいいかなと思って”
少し緊張気味な夏海に“私も初めてなんです“そう言ってメモを見せて笑った。
庭の見える座敷に通されて座ると2人きりの空間に少し照れてしまう夏海がいて終もそんな彼女を見てどこかドキドキしていた。
“何が食べたいですか?“終はお品書きを示して夏海に聞くと夏海も終に同じように聞くから同時で指差ししてみる
付き出しは決まっているからと、同時に選んだのが鴨ロース・・また食べたいものが重なって笑ってしまう。どうしてこんなに被るんだろう、
季節の炊き合わせもお刺身の魚の種類も・・不思議なほど重なって同じものを食べるのもと色々頼んでみるけれど、全部被った。
陽が落ちて庭がライトアップされて“後で出てみませんか?”と誘われて夏海は頷く、なんだかデートみたいと思いながら・・
デザートまで楽しんだ後庭に出て縁台に並んで座った。
「なんか、不思議です」そういう夏海に終は視線を向けて、顔を覗き込んで慌ててメモを書き出す
“私は楽しいですが、楽しくなかったですか?“そう書かれていて慌てて
「私も楽しいです、でも今までほとんど会えてなかったので、こんなふうに会うのが不思議です」
終は“何度でもご一緒しましょう“そう書くと夏海は「はい」と明るく返事をした。