アヒルの子はアヒルでいい
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冬のある日、真選組屯所内で極秘で会議が開かれた。
”麻薬取引の現場を差し押さえる”
江戸中に蔓延り始めた麻薬を一手に海外から密輸販売している組織の幹部の家に踏み込み現物及び関係者の一斉検挙。
向こうも刀だけでなく銃も所持しているだろうから、各部隊に分かれて踏み込むことになった。
大きな正門と勝手口、さらに使用人が使う通用口3箇所から突入した。
沖田が先陣を切って屋敷内に飛び込む。
建物の様子はすでに調べ上げていて頭に入っている。その後に土方、今回は斎藤も踏み込んでいく。
斬りかかる警備に雇われた浪人たちを次々切り捨て、奥へ入り込んでいく。
銃口が向けられても沖田は怯むことなく進んでいき、誰よりも早く奥の間にたどり着いたが周囲を見回すが、人の気配がない。
”逃げられたか?”そう思うもう一度周りを見渡すとどこからか風の気配。
ーーー微かだがわかる。
もう一度肌の感覚と視覚で探す・・床の間掛け軸が微妙に揺れている
掛け軸を切り捨てると、そこに微かな隙間が見える。
「隠し扉だ!」
沖田はそれを斬りつけると・・奥に廊下が続いていた。
近藤、土方らも追いつき、廊下を沖田と共に進んだ。それは二手に分かれていた、
「総悟、お前は右。俺は左に行く」土方の指示に従い廊下を進む
沖田が進んだ方向は地下への階段が掘られていて思わずよく掘ったもんだ“と感心するほどだった。
土方は逃げようとする幹部の男を取り押さえ確保していた
どうやら左手の廊下から出て別の隠し扉を通り。。さらに奥の隠し部屋に隠れているつもりだったらしい。
すでにそこには麻薬と現金があり、証拠品の押さえることができた。
「総悟、トシが捕まえて証拠品も抑えた」
「そうですかぃ・・おい!!」
声を上げた沖田に驚いた近藤が見たものは
座敷牢・・・そこに女がいた。
薄汚れた着物に痩せた体、暗い瞳で沖田たちを見た。
「どうしたんだ!」近藤が走り寄ったとき女はか細い声でいった
「助けて」と・
近藤と沖田はその座敷牢から女を助け出した、足元もおぼつかない様子の女は「ありがとう、ありがとう」何度も繰り返して泣いていた。
その女は屯所預かりで女中部屋の離れで静養することになった。
取り調べの中で女は売られてきて、座敷牢に閉じ込められていた
取引の時に女をあてがうために連れてきたが、あまりに抵抗するので戒めとしてそこに閉じ込めていたと言う。
女は名前を”愛理”と言った。
着替えをさせて身綺麗にしてやると、それは儚げで美しい娘だった。
ここへきた環境も相まって余計に儚げに見え、隊士たちは女中たちにきちんと面倒を見てやって欲しいと口を揃えていった。
特に沖田は自分が発見した事もあり、気にかけることが多かった。