アヒルの子はアヒルでいい
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ーーー久しぶりに夏海さんを見た。
しかも、怒ってた・・・彼女もそういうことがあるんだなと思いながら土方さんの問いかけに
あのアゴミさんを庇って喧嘩に発展したと・・彼女にもそんな一面があるんだと感心した
いつも地味で目立たないけれどやるべきことだけはきちんとやる人で、みんなが見た目をどうのこうの言っても自分的には気にならなかった
顔も体型も見た目だけの話で普段の働きを見ていればどう言う人かは分かっていた
監察という仕事柄人はよく見ているつもりでいた。
はっきりとものを言うようになったのはおそらく屯所を出てからで。
言わなかった故の苦労を彼女はとことんしたせいだろうと判断はついていた
顔を見ることはほとんどないけれど、会うたびに違う顔を見ている気がする
もともと嫌な印象は持っていないせいか、頑張り屋さんと言う捉え方をしている
副長に言われたように夏海さんを送ることにした。
ぺこっと頭を下げると向こうも頭を下げてくる、それが合図で歩き始めた。
それにしても・・綺麗になったと思う。
がっちりもっちりしてた彼女の一生懸命な姿も好きか嫌いかと言われれば好きな方だ。今の姿もそうだ。
あまり人を嫌いになることはないが。
「すみません、斉藤隊長、ご迷惑をかけて」
謝る彼女にぺこっとまた頭を下げる
メモ帳か何かを持ってくればよかったかもしれない、これでは彼女も気を使うだろう。
とはいえ喋れる方ではないから・・結局無言。
何か、何か一言でも話したほうがいい、深呼吸をしてるのを悟られないように何度か繰り返して
「あ、あの」情けないほどか細い声で話しかけてみた
びっくりしたような顔で私を見ている、
・・喋ることがびっくりなのか、出だしの言葉にびっくりなのか・・
「斉藤隊長?」
「・・お、お元気でしたか?」
「・・はい、斉藤隊長はお変わりありませんか?」
「はい」
間抜けな言葉しか出てこなかった
また無言。。。
「無理して話さなくていいですから」さりげなく言われた彼女の言葉は気遣いなのか、本当の意味でもういいよなのか、どっちなんだろうかとか色々頭で考えてしまう
結局万事屋の前で「では」しか言えず
「ありがとうございました」しか聞けず終了となった。
私は一体何が言いたかったのだろうか、珍しく話したいと思ったのは確かだったが。
今度はいつ会えるかもわからない人だから余計か。
そんなことを思いながら屯所に戻ることにした。