一世一代の恋
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地球へ凛が戻って程なく
神威は
故郷 洛陽にいた。
母。江華の眠る場所に報告をした。
大好きな花を2輪添えて。
「・・・大事な人ができたよ、守りたい人ができたんだ・・。
この花・・さ。・・彼女が育てたんだ。
母さんの好きな花・・・地球の温室でたくさん咲いてる。
母さんが行きたいと言ってた地球で。
・・・優しくて、人を憎めない、慈しむ人なんだ。
今度は一緒に来るよ」
「神威か」
「・・・。」
振り返ると父、神晃(星海坊主)が花束を持って立っていた。
「珍しいな、お前が来るなんて」
「・・・報告にきた。」
神晃(星海坊主)は二輪の花を見て納得したようにうなづいた。
「あの人とのことか?」
「ああ、ちゃんと言わないと。」
「一緒には来なかったのか?」
「・・地球でお仕事が忙しいんだよ、彼女は」
「いつも一緒にいないのか?」
「約束だから
彼女にはやるべきことがあるから
その邪魔はしない約束。
それにいつかどこかに・・・住まなきゃ家族は作れない」
「ってことは俺は・そのうちおじいちゃんにでもなるのか?」
「まあ。そのうち。」
その時優しい風が吹いた。
“神威“・・・母の呼ぶ声が聞こえた気がした。
「じゃ、行くよ」
神威は神晃(星海坊主)に背を向けた。
「俺が言えた義理じゃないが・・・
幸せになれ、神威」
花を添えながら言った神晃(星海坊主)の顔は穏やかだった。
その言葉に・・背を向けたまま神威はフッと笑って
「ああ」と呟いた。
地球では瓦礫だらけになった街が徐々に元の様子に戻りつつあった。
万事屋は解散し、神楽や銀時は旅立ち新八だけが残った。
屁怒絽と凛は花を増やし、いち早く花屋を再建した。
少しでも花が人の心を癒すようにと。
ただ住まいだけは神威が屁怒絽との同居はダメだと押切ったせいもあり
花屋の近くの家を借りた。
神威も時々は訪れる
その時はそのまま凛が今度は宇宙へ出る番
相変わらず揉め事が起こるとまず話し合いがもたれる関係は変わらない。
もちろん神威が9割押し通してしまうことも変わらない。
「一応はちゃんと話し合ってるだろ?」
そう言う神威はまだ凛より子供っぽさが残る
「本当に頑固でわがまま」
そう言う凛に慰め役は阿伏兎だけ。
「俺だって苦労してんだ、お前さんも苦労しな」と笑う
でもこんなやり取り全てが
神威にも凛にも幸せな時間だと感じていた。
・・・・今日も屁怒絽の花屋に入ると優しい甘い匂いがする
神威はもちろんのこと
神楽や銀時が戻ったら・・お帰りなさいと変わらず迎えてあげたい。
晴れた空を見上げながら凛はそんなことを考えていた。
終わり