一世一代の恋
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春雨に戻った神威は眠る凛の顔を見ていた。
かれこれ丸三日眠り続けている
大きかった傷が塞ぎ、傷あとさえも徐々に薄くなっていく
不思議だ、これが凛の種の力。
・・でも、もう不老不死じゃない。
・・・俺が。彼女の寿命を縮めた・・・
ーーーー「大丈夫よ、、神威」優しい声が聞こえた。
「気がついたのか?」
阿伏兎も身を乗り出して凛を見る。
「もう大丈夫、お兄様が血をくれたおかげで
なんとかなったみたい」
体を起こそうとする凛の背中をすぐ支え起こした神威は
「眠ったままで心配した」そう言った。
「もう普通に生活できるから、ほら傷も消えてるでしょ?」
「・・まだ薄く残ってるよ」
阿伏兎は邪魔しちゃ悪いと部屋をそっと出て行った。
「・・助かってよかったよ」
凛は抱きしめた神威の腕の中で帰ってきたんだと安心して
「ただいま」と言った。
神威の心配をよそに
凛の怪我の回復は蓮の血のおかげで
一週間とかからずに綺麗に治った。
そうなると神威はいつもの神威に戻る
地球に戻ると言う凛をガンとして受け付けようとしない
いや、前よりも凛に強気に出るようになった。
「どうしてそんなに頑固なの?地球に戻るって言う約束は・・」
「だめだ。前と状況が違う。もう前みたいに不老不死じゃないんだ、
怪我したら病気したどうするんだ。
俺より早く死ぬなんて許さない」
「・・・何も聞いてないの?」
「何を?」
「お兄様から」
「だから何をだよ?」
「いくら、不老不死じゃなくても・・
ちょっとお兄様の血をもらったし・・
あれぐらいの出血で終わってたら・・
多分あと二百年は生きるわよ?
今までみたいに病気をしないわけじゃなくなったけど・・
途中で病気をしたり怪我をしても百年は余裕で残るわ
それに力が完全に無くなったわけじゃないから」
「え?俺より短いんじゃないの?力残ってる??」
「神威よりは多分長く生きるわよ?
力も今まで通りにはいかないけど。。」
「何も教えてもらってなかったよ。
もう、俺より早く死んでしまうって・だから・・」
「・・・神威・・私のお兄さまは・・天邪鬼よ。毒舌よ。
私以外には。
神威をちょっといじめて楽しんで・・姿消したのよ」
「え・・?」
・・・そういえばあの時だって結構・・毒舌だった。しかもバカ連呼だった。笑ってたし。・・・
「俺が、俺がどれだけ悩んだと思ってるんだ・・・あの毒舌・・」
「・・怒らないで、神威。・・私は感謝してるの
これでやっと同じように歳を重ねていけるって
不死じゃない。永遠に一人で生きるわけじゃないから。
だから・・・神威も・・死なないで?
夜兎の戦闘能力は知ってるし理解してる。でも死なないで。」
「・・わかってる。わかってるさ」
凛は手を伸ばし神威を抱きしめた
「ありがとう、神威。
神威がいるから私は迷わないでいられる
神威がいたからこんなに人を思うことができる。愛せる。
・・大好きよ。大好き・・愛してる」
抱きしめ返す神威も
「大好きだよ。大好きだ、・・・愛してる」そう言葉を返した。
物陰で腕を組み静かに阿伏兎は笑った。
「団長。・・いや神威・・・よかったなぁ、
・・・新しい家族ができて・・・」
そう呟いた。