一世一代の恋
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大気圏を抜け
一瞬の静寂を破くかのように一筋の光が空に光った。
地球めがけて落ちてくる物体
「攻撃か!?」
「いや何か降ってくるぞ。逃げろ」
衝撃とともに地面が揺れた。
モヤの中に・・チダンネクスコのシンボルの小さな船
「??あれって。。あの印象的なものは・・」
新八は目を見張る
「・・・まさかバカ皇子か?」
銀時も目をパシパシさせて何度も見た。
ゲートが開いてそこから現れたのは凛だった。
「おいっ、バカ皇子の船から何で凛が出てくるんだ?」
銀時が走り寄った。
「凛、この船どうしたんだ?なんで・・バカ皇子の船に凛がいるんだ??」
「ハタ皇子に送ってもらいました。」
「ハタ皇子って、お前。・知り合いなのか?」
「ええ、古くからの知り合いです」
「はぁ?凛??どこまで顔広いの。」
そんな会話をする凛に大股で近寄って神威は彼女の名前を呼んだ。
神威は真剣な顔で詰め寄りがっしりと肩を掴み
ため息を一つついたあと、息を吸い込んでから一気に話す。
「駄目だとあんなに言っただろう。すぐに戻るんだ凛。
何かあったらどうする、どうしていうことを聞かないんだ。
こういう時の命令は絶対だ、逆らうなと言ったはずだ。
それに団員はどうした?」
「・要塞に・・置いて来ちゃったわ・・」
「あ。団長、怒ってるよ。あの顔・・・。
あんなに脱走はやめとけって言ったのに・・
ってかあの要塞からよくここまできたな・・
おじさんびっくりするよ」
阿伏兎が困った顔で言った。
「・・・神威さんってあんな性格でしたっけ?」
新八は見たことのない顔を見て驚いていた。
「しかもいつの間にか呼び捨てアルよ。凛って。
ついこの前までは”さん”ついてたアル」
「まあ。なんだ。そんだけのことしてんだろうよ、宇宙で。
あんなこととかこんなこととか・羨ましい
・・あいつ」
銀時の言葉に新八が
「今言うか」と突っ込んだ。
「まあ、団長、
宇宙に出た日に速攻強引に部屋一緒にしてるからなぁ
やることはやってるさ。
その分煩くなって凛は困ってるようだがな」
阿伏兎がしれっと言う。
「・元々うるさいアル。。それに・バカ兄貴、パピーのこと言えないアル」
ーー『ベッドから生まれる恋もある』銀時はあの台詞を思いだしたーー
「神楽ちゃん、あの人誰だい?」
神威の見たことのない姿に星海坊主がそう聞いた。
「パピー。あれは神威の大事な恋人アルよ」
「恋人?」
「そうアル、神威。一世一代の恋アルよ。神威をよくわかってる人アルよ、マミーとパピーみたいアル。」
星海坊主は二人を黙って見ていた。
ーーーーーーーーー
凛は神威が掴んでいる手をそっと払った
「今回はいくら神威の命令でも聞けない
話し合う余地すらくれなかったじゃない
私にもできることはあるはず
神楽ちゃんたちを
ここに生きるものをほっとけないのは神威が一番わかってるはずでしょう?」
神威は最近全く見なかった金色の目を見た。
・・彼女が本当に気持ちを決めた、彼女なりの戦う姿勢を見せたときに現れるその色・・・
「言っても無駄ってことか?」
「そうよ。大丈夫、私は防ぐ事につけては誰も叶わないわ。」
しばらく黙ったまま神威はその目を見た。
“仕方ないか。“そう思った神威は目閉じその体を抱き寄せて言った。
「・・だったら・・絶対死ぬな、
腕なくなっても、足なくなっても。
どうなっても・・生きてろ、これは命令だ。」
「・・わかった。・・でも神威も同じよ。」
「・・わかってる」
様子を見ていた銀時がその言葉に口元が緩む
「どんだけ惚れてるんだよ」そう言った。