一世一代の恋
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店の奥にしつらえた客間で屁怒絽は銀時たちに話を始めた。
「知り合ったのは白蘭星でした。
わたしはあの星で絶滅しそうな花や
助けなければ生けない花たちを探して
地球へ持って行こうとしていました。
そこにいたのが彼女です
あの時彼女は花たちの番人・・
いや・・花の精じゃないかと思ったんです。」
屁怒絽の記憶が蘇っていた。
・・何日も花を探して歩いた。
でもどの花も枯れてだめになっていた。
ため息ばかりが溢れて大きな背中を丸めてため息を何度もついた。
「なにをしているの?」
大きな緑をほこっている木の枝に腰掛けて屁怒絽を見下ろし
優しく問いかけた。
たった一本そびえ立つその木は滅び行く星の中で凜と佇んでいた。
「花を助けようと・・」
屁怒絽が答えると
「もう、どこにも花は咲いていないわ・・
最後の花さえ種子として数本分だけよ」
そういうと枯れた大地へ視線を移した。
昨日最後の花を看取り役目は終わったと小さく笑った・・・
「そうですか、残念でで。」
そう言って去ろうとする屁怒絽に彼女は種子の入った袋を渡した。
「あなたなら大事に育ててくれそうね、いつか咲いたら見せてくださる?」
「もちろんです、私は地球でお花屋さんをしようと思っています」
「じゃあ、必ず行くから。約束ね」
ーーーたったそれだけの約束で、彼女は地球へ来た。
ただ今回持ってきた種子が問題だったのだ。
「・・・・で結局彼女が天人じゃないとしたらなんなんだ?」
銀時が聞いても屁怒絽自身がわからないのだ。
あの出会いの中で花を通じて知り合い、花を通じて関係を作っただけの人なのだ。
「悪い人じゃありません、いい人です、それは確かです」
見た目は怖いがお人好しな屁怒絽が言いそうなことだと銀時は思った。
「結局のところ何もわからないじゃないか、」
ーーー銀時はつぶやいた。