一世一代の恋
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春雨での暮らしが始って数ヶ月
温室も気になるし、
そろそろ地球へ戻ろうかと思い始めた頃だった。
「お兄さんから緊急通信が入ってるよ。」
神威が部屋に呼びに来て何事だろうと、慌てて向かった。
こんなことは初めてだった。
まずどこにいるかもわからないお兄様からなんて
連絡が来ること自体が珍しい。
大きな画面に映るのは久しぶりに会うお兄様の顔。
「何の船に乗ってるの?」と聞けば海援隊だと言う。
何がどこで繋がってるのかさっぱりわからないけれど
どこか様子がおかしすぎる。
「何か・・」言いかけた時
「虚って覚えてますか?」・・そう聞かれた。
一気に緊張が走った・・・艦内に響いた言葉・・・
「虚?・・・誰?」
「ああ、あなたは名前は覚えてないんですね、
そう言うことに関しては忘れっぽい人でしたね。
処刑場で殺された幼い子、
いや違うな・・あれは私だけが見たんだ
そう人柱にされた子ですよ」
ーーー記憶を辿るけれど、覚えていない。
「じゃあ、火炙りにされてた人のことは?
おじいさまと一緒にそれを見てしまった、
あの時・・もしくはその後の斬首された・・それとも生き埋めにされた・
・それとも・・・串刺しにされた・・・」
「あ・・・。覚えてる。
お爺さまに泣いてはいけないと叱られた・・・
それであんなことになったとか。
ならなかったとか
大丈夫とか切れ切れでしか記憶が・・・」
「そう、それが全て虚です。
彼が今何をしようとしてるか知ってますか?」
「いいえ。関わってはいけない相手だと・・
お爺さまもお父様も・・」
「・・今得た情報では
彼は各惑星を巻き込んで、地球を滅ぼそうとしています。
アルタナ解放軍という名の連合軍を利用して
いやそれはきっかけ、でしょう
私には別に誰が争おうが関係ないはないですが。
私たちの役目を果たすだけなので・・ただ
虚が何を考えているか・・
・それに、今の虚はどの虚なのかわかりません。
私たちがあった事のある虚ではないかもしれない。
このまま関わらずいるべきか、
それとも私たちにできることをするべきか・・・
正直なところ答えが出せません
ただ・・あの虚は血を使う、
私たちと同じように。
・そして会えば・・貴方を狙う。それはわかっている」
「お兄様?それどう言うこと?」
「それは、かつてあなたがしたことに帰来するものです。
・・やっぱり忘れちゃってますね。自分が何したかなんて。
・・そういう人ですね、貴方は。
私としてもまだわからないことも多い、
だからそれまでは待機していなさい。
いいですか?動いてはいけませんよ。
身を守りなさい。
双子でもお互いの持つ力配分の量は私の方が圧倒的に多い。
今回は絶対に私がいない限り動いてはいけません。
神威さん、くれぐれも凛を頼みましたよ」
そう言って通信が切れた
「凛。あいつを知ってるのか?なぜ狙われる?」
神威は厳しい声で問いかけて来た。
「さっき兄に言われるまで記憶の中に埋もれていたわ・・
何度も復活する虚を知ってる。
殺されていく彼を何度も見てる・・・
私たちと違うのは・・・
負の感情だけで生き、人の恐怖を与えたり
猜疑心を与えたりするあまりに、人間界で生きられない虚
果ては利用されそしてそれを逆手に取った。
私たちは人間界に溶け込み、人間として生き、
私は、人に疎まれることもなく、愛されて生きてきた。
決して目立たぬように・・と。力を見せないようにと。
兄も・・・死んだ父とは時代背景も育った状態も違うから
考えも変わってた・・父は虚に近かったかもしれない・・・
虚が生まれた背景を私はよく知らないけど。」
「なぜ狙われるんだ?」
「わからない。覚えてないの、
お兄様が言うように・・・
適当で忘れっぽいところがあって
・・神威はいくの?地球へ」
「・・いくよ。事実を知った今は。
それにアルタナ解放軍って・さ・・・引っかかっちゃうよね。
まあ、地球には神楽がいるでも、凛はきちゃ駄目だ」
「でも、行かないとダメな気がする・・
確かあの血は・・死者を亡霊を動かす。。彼等を昇華してあげないと。」
「駄目なものは駄目だ。お兄さんもダメだって言ったろ?
言うこと聞かないと部屋に閉じ込めて出られなくするよ。
凛が望んでも聞いてやれないことはある」
こう言い出すと神威は自分の意見を変えない
私は戦えない、人を、生きるものを自らの手で殺せない
殺してはいけない生き物
でも
守ることはできる・・
ーーーー私は何をしたいの?
ーーーーーどうしたいの?
それに私がしたことって何?
何も覚えてない。
人間の残酷さゆえ、生まれた虚
地球のアルタナの力あっての虚
夜兎を許せた兄と私・・・許せなかった父
命あるものすべてに愛された私たち
アルタナなど必要ない私たち
似たような力を持ちながら別のベクトルで動いてる
地球の人たち、生き物たち
・かぶき町の人たち・・・
そして神威・・・
そして。
・・私は、守りたい・・誰を、何を?
・・・私の中の何かが動けと言う