一世一代の恋
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かぶき町に戻った凛が見たのは
見知った顔がいつもと変わらない態度で迎えてくれたことだった。
「あんたは、もうここでしっかり根を張ってるんだ。ここはもうあんたの街だよ」
お登勢がタバコ片手に笑った。
「モゥ〜。心配しちゃったじゃないの〜。
何にも言わないでて行く不義理は許さないわよ〜。
どこへ行くかちゃんと言ってから行きなさいよ〜。」
アゴミたちが凛に抱きついてから凛の頬をつねった。
「イタイです、アゴミさん」
「わざとやってるのよ」
・・・・・・・
「・・・・ちゃんと、ここに馴染みきってるじゃないか。
大事に思われて。」
銀時はその光景を見ながら目を細めて笑った。
・・・・・・・・・・・
数日たち、神楽は凛と夕食を食べていた。
「うまく言いくるめられたような気がする」
神威の話になり
神楽に夕食を振る舞いながら
スティック野菜をポリポリとかじる凛がポツリと言う
「バカ兄貴はあれからどこ行ったアルか?」
「さあ、・・告白だけして、消えた?、待ってくれてるのかもね」
神楽はふうんと言いながら改めて凛を見た
「まるで凛は兎みたいアル、いつもポリポリ野菜かじってるアル」
「そう??」
「だってほとんど野菜ばっかり食べてるアル、しかも食べる量が少なすぎるアル」
凛の作ったクリームパスタを流し込むように食べながら神楽は言う
いやいや、神楽ちゃん、あなたの食べる量が尋常じゃないだけですよと言うのを抑えてお代わりを用意する
「・・でももしかしたら凛はほんとのお姉ちゃんになるアルネ。
それはそれで嬉しいアル
あれであのバカ兄貴は一途アル
凛が嫌にならない限りずっと思い続けるアル、
それ以上に強引なところも持ってるアルけど・・・。」
お変わりはクリームパスタじゃなくエビとドライトマトのパスタ
それも平らげ、デザートまで食べて、帰り際ポツリといった。
「神威が凛を連れて行ったらこんな美味しいご飯食べられなくなるネ。
何年も一緒にいたわけじゃないのにいなくなるのは寂しいアル
あのバカ兄貴がたまにこっちくればいいアルよ」
その言葉にふと胸が熱くなる。
でも正直・・神威のいうままになるのも今更だけど
なんか納得できてない・・ところもある・。
・・・ついそれが口に出た。
「私もココに居たいのだけど、
あの様子じゃどっちにしても連れていくってことなのよね
私はここからまた逃げるとかって考えなかったのかしら?
どこかに隠れてしまうとか・・」
「凛!ダメある!あいつ絶対どっかで聞いてる・・・・」
「ほ〜〜ら、やっぱり良からぬことを考えてる」
そんな声が聞こえた。
開いた窓辺に座ってこっちを見てる神威がいた。
ストンと窓辺から部屋に侵入した神威は「帰れ」と神楽を部屋から追い出した。
「やばいから気をつけるアル。」そう言って神楽は部屋を後にした。
凛に振り返ると神威はグイッと手を引いて顔を近づける。
「さっきのセリフ。どう言うことなのか、説明して欲しいんだけど」
「あの、神楽ちゃんにお土産渡してないので・ちょっと・出かけて、それからってことにしましょう?」
「・・・・何それ?」
「いつもあげてるデザート」
「・・・・で、何?」
「チョコレートとオレンジのケーキ・・だけど・・」
「俺が食べるから」
神威は大きな1ホールのケーキをペロリと平げ
フォークを指でくるくる回しながら
ニコニコとした顔の割に声が低目な言い方で
「凛さん、今日はじっくり、ちゃんと話そうね、あ、怒らせないでね。わかってるよね?」
そんな様子に心でため息をつく
・・いや、最初から話を聞く気がないような気がするんですけれど・・・
ちゃんと話すも何も自分の意見以外は聞きませんって言ってるようなものではないですか?
そう言いたいのをグッと堪えた。
多分言えばいろんな意味で軽く十倍になって返ってきそうな気がした。
朝までかかって話し合い
神威が出した条件が10としたら〜〜は1個出せたか出せなかったか。
ただ定期的に地球に戻ることは許可したことは、神威にとっては大きな譲歩
まず、神威が延々と話し合いに応じること自体がかなり珍しいことで、
それは昔から神威を知る人間からすれば
信じられないようなことだと凛は知らない
それは凛が話し合って納得しなければダメな性格であることを
神威が理解し認めていて、彼女を大事にしていると言う事実でもあった。
結果として大抵は強引に丸め込んでしまうにしろ。
「じゃあ、早速しばらくは宇宙だよ、でもいろんな星で花は探せるよ、出発は明日午後、俺ここにいるから一緒に出よう」
こうなるともう仕方ない、逆らいようがない。
神楽ちゃんもこうなることはすでに理解しただろう
とりあえず屁怒絽さんには事情を話しておこうと階下へ降りた。
ーーーーー神威は階段の手すりにもたれて、耳を澄ませた
“あの男がメソメソと泣いている
凛が困り果てているのがわかる“
・・凛さん。あなたを強引にでも連れて行きたいのは
あなたを思う男がこの地球にいるから、
そこから離したいってだけの話なんだよ。
その男があなたに手を出すとは思わないけど。
嫌なんだ。同じ屋根の下にそんな男がいることが
・・多分、あの路地であったあの時から・・・好きになってた・・。
消えなかった記憶から。
だから、連れていく、拐っていく、この星から。
俺しか映らない宇宙へ
明日の午後にはあなたはここを出て、俺といる。・・ずっと。
そして・・
戻って数日で今度は見送られてかぶき町を出ることになった凛は新しい生き方を選んだ。
ーーーー神威と生きることを