一世一代の恋
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
部屋を出て港の奥にある小さな海岸に向かった。
月明かりが綺麗で海に光が映る
凛は誰もいないのを確認して裸足になった。
海水を指で揺らした・・・
少し沖でぴちゃんと水音とともに魚たちがはねる。
「ふふっ」思わず笑って凛は手を月光にかざすと
金の光が波に乗って舞う
小さな金の光がキラキラと波間に跳ねると魚たちがそれを追って行く
まるでボール遊びをしてるかのように。
・・・・・・・・・・・・・
「何をあのお嬢さんはやってるんだ?」
月明かりに照らされた大男がそう聞くと。
「遊んでるんだよ。楽しそうだね、
邪魔しちゃ悪いからここで見てるよ。」
・・・・そう言ったのは神威だった。
神威にってそれは何度か見た景色
あの時も、そうあの時も・・・・
“やっぱり、好きだ。“
ーーー神威は心を決めた。
「おい、見てるんじゃないのか?」
「・・気が変わったんだ」
神威は凛へ向かって歩き始めた。
「おいおい」
阿伏兎はその後ろ姿を見て肩を竦めた。
「楽しそうだね」
神威の声に振り向いた凛は本当に驚いた顔をしていた。
「どうして?」
「何が?」
「神威がなぜここにいるの?」
「会いに行ったら居なくなってて大騒ぎしてた連中がいたから。
探したら船までは特定したけど
まさかこんなところにいるとは思わなかったよ。」
“せっかく姿を消して一人で生きるつもりでここまできたって言うのに・・“
困ったような顔で神威を見つめた凛は小さなため息をついた。
「・・・いい加減、足つけるのやめれば?」
神威に言われて 砂浜に戻ろうとすると
ヒョイと抱え上げられた。
「え?あ、神威」
「足、砂で汚れるだろ?」
凛を抱き抱えたまま軽々と大きなテトラポットの上までジャンプして下ろし、神威も隣に座った。
月明かりの下、沈黙の時間が流れていく。
それを最初に破ったのは神威だった・・
「・・正直、焦った、居なくなってて。
探し出せる自信はあったけど。
・・俺はあなたがどこへ行こうと捕まえる。
一緒に生きたい・・俺は結構一途なんだよ。」
神威の手は凛の手を掴んだままで
お互いに視線を逸らすこともない。
手を引っこめようにも夜兎の力にかなうはずがない。
引き寄せられ、至近距離に神威の顔がある。
ーーーー蒼い瞳と紫の瞳が見つめあっていた。