一世一代の恋
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「もう一度現場に戻ることだな」
そう言うと土方は花屋へ向かった。
屁怒絽に案内され凛が使っていた部屋に入った。
・・そこはもう綺麗に片付けられて、人が住んでいた気配が消えていた。
「もう、ここには何もありません。「凛さんは花以外何も残してくれなかった。帰ってくるって言ってくれなかった。」
花屋の中にはいつも漂う甘い匂いの残り香しかなかった。
「手がかりなしか」
そう言ってタバコに火をつけかけたとき携帯がなった。
「はい、土方・・ああ、そうか分かった・そのまま探してくれ」
電話を切ったあと
「行方が掴めるかもしれん。
朝方凛を見た奴がいる。
洋装だからそれなりに目立つんだ。。時間はかかるがな。」
・・・・・・・・
凛は港にいた。
ただ今は去る前に想いを馳せる
ここからなら外国へ向かう船に乗ることができる
違和感なく過ごせるだろう。
出航は翌日。チケットも取れた。
ーーーーもう銀時たちは気づいてるだろう・・いなくなったこと。
かぶき町の人たち・・ーーー
そして。
空を見上げた。はるか宇宙にいるであろう神威
「お兄様、あなたと同じ男で生まれたら。こんな感情持たずに済んだのに。」・・・・そう呟く
『絶滅危惧種だからよ』
あの時、ああ言って離れるしかないと思った。
これ以上、近づけば今以上にバランスが取れなくなりそうな気がしたから。
”夜兎には夜兎がふさわしい。”
”夜兎には夜兎でなければいけない”
彼らを絶滅させてはいけない。
夜兎同士で繁殖して行くことが絶滅を防ぐことになる、
・・・生き物を守ると言うことは、そう言うこと。
消えた命を慈しみ、消えそうな命は守る
私に最初から与えられたこと。
・・関わりすぎた。
“一人になって、また長い時間を生きなければ永遠に。“
意を決したように
唇を真一文字に結び、小さなトランクを持った。
「・・こんな時に兄様はいないし・・
おじいさまもどこに行ったかわからないし・・」
それでもつい。ため息をついて少し文句を言った。
凛はそのまま港近くの小さなホテルにそのままチェックインして明日の出港を待つことにした。
窓からは海に落ちる夕日が美しく輝いていてそれを凛はただ見ていた。
かぶき町で過ごした時間は夢のようだった。
楽しくて、人間をもっと好きになれた。
愛しく思えた。
ーーかたや、かぶき町では「凛が消えたと大騒ぎになっていた。
何もいわず、花以外何も残さず。
それでも「凛という存在は西郷やアゴミ、お登勢、団子屋、
お妙、たま、全ての人の心にあった。
銀時は“こんなに待ってる奴がいる、戻ってこい。“そう思った。
翌日、昼、出港の船に乗ろうと「凛は港へ向かった。
そこに看板が。
“エンジン不調のため、1日出港延期します“
「なんてことなの?覚悟決めてきたのに、何これ?
1日また気持ちを引きずれというの?」
思わず愚痴が出た。
またホテルに引き返す羽目になった。
何もすることがない
1日部屋に篭りベッドの上で寝転んで過ごすしかない。
「こんなので眠れるはずがないわ・・」
夜も更けた頃、思いついたように体を起こした。