一世一代の恋
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父が何を思ってラボに呼んだのかがわからない。
銀さん達まで来たけど、それも良かったのかどうだか。
ラボの近くにホテルをとってくれた父に礼を言い一旦ラボを後にした。
そこにまさか珍客が現れるとも知らずに。
フロントでチェックインを済ませ、EVに乗り込もうとした時
手をひらひらさせてる・・三つ編みの男性・
「・・・・・」思わず無言になった凛に驚く3人。
近づいて来た・・神威はニコニコ顔で・・・
「あの。またですか?
最近地球以外でちょっと会うことが多くありませんか?」
「偶然だね〜。桜蘭で見かけた時はびっくりしたよ〜
声をかけようとしたら、すぐいなくなっちゃったね。」
「それでここまで来たのですか?何故桜蘭に?」
「海賊はいろんな意味で宇宙中の金持ちともつながりがあるのさ、
ちょっと色々あって客と立ち寄った先に凛がいたってこと。
びっくりしちゃったよ。」
「私の方が驚きます。」
「疑ってる??桜蘭に用事があったのは嘘じゃないよ、ほら、阿伏兎もいるから」
視線を向けるとやれやれと言った顔の阿伏兎と
他に1人の団員が立っていた。
気の毒に・・・青蓮香まで付き合わされたってことね。
「じゃあ、。またね。
俺たちは桜蘭の客の別荘に泊めてもらう事になってるから」
神威はそう言うとホテルから出て行った。
「・・まさか神威、凛を追っかけて来たアルか?」
「そうじゃないみたい、お仕事じゃないの?阿伏兎さんもいるし
お客さんの別荘に泊まるとか・・」
「・・行動がゴリラ臭じみて来てるな、お前のバカ兄貴」
銀時は後ろ姿を見てそう言った。
「そんなに会ってるアルか?バカ兄貴と?」
「いいえ、新涼に出掛けた時は会いましたよ。
偶然だと思いますけど・・お茶をご一緒しましたけど?」
「気をつけるアル」神楽はそう言った。
翌日、朝食を食べた後
神楽たちは買い物がてらのちょっとした観光に出かけた
凛は一人ラボに再び向かった
「今日は凛だけですか?」
インターホン越しにそう言って父は私を出迎えた。
「もうすぐお客様が見えるんですよ。」
そう言って父は庭園のガゼボでお茶の用意をし、客を迎える準備をしていた。
「お手伝いします。お茶の葉は何を?」
「今日は頂き物の美味しい紅茶がありますよ、それにしましょう、
ティーセットはそうですね、ターコイズブルーのものにしましょうか?」
「はい。」
支度が終わった頃、来客を知らせるインターホンがなった。
「君も一緒にいらっしゃい、紹介しておこう」
そう父に促されて出迎えに出た。
「お久しぶりです、マスター」
「ようこそおいで下さいました、お久しぶりですね。」
「今日は私の客人も一緒にお邪魔しました。」
そう言って後ろから現れたのは神威と阿伏兎さんだった。
「あ、凛さん。」
神威が驚いたようにいったあと父と私の顔を交互に見た。
「えっと・・お兄さん??」
「・・いいえ、父です」
庭園に案内する廊下で神威は凛に話しかけた。
「お父さんって本当のお父さん?」
「・・そうです、何もかもそっくりでしょう?
兄も祖父もみんなコピーみたいなものです。」
庭園で商談をしている父を他所に神威と阿伏兎さんは
どこか所在なさげにうろうろしていた
・・・私は案内を任されたと言うのもあるけれど。
「ここで昼寝でもしてるか〜、いいよな、団長〜」
庭園のベンチに横になって阿伏兎は大きなあくびをした。
「好きにしなよ。凛さん案内してよ」そう言う神威の背中に
「いいアシストだろぉ。俺は気遣いの達人なんだぜ」
そう言って目を閉じた。
「なんか偶然が重なるよね。」
そう言う神威をあしらうかのように
「そうですね」と返事をして庭園の中にある森へ行く。
「不思議だな、ここ。ただの庭園かと思えば森まである
建物の敷地内に・・変わってるね」
「父が作ったものだから・・多分あちこちに動物もいるはずです。」
「ねえ、なんかぎこちなかったよね?」
「何がですか??」
「父親と凛さん。」
「・・滅多に会いませんから。一緒に住んだこともないです。
でもしっかり・・何処かから監視してるのは知ってます・・
理由はわかりませんが。」
「・・だから転々としてきた?」
「もともと一箇所に留まれないから。」
「なぜ?」
「・・・・・。周りはどんどん年老いて亡くなっていっても、
私はこのままだから・・違和感が出る前に消えることにしてるんです。
それに。。利用されても困るので・・・」
「利用って・・・」
「人間と同じ年齢を重ねていれば溶け込める世界も
そうでない私たちは異質そのもの。
故郷がないから・・動き続けるしかない・・
神威。あなたに見せた力も悪用しようとする人たちが
現れかねない・・それに。父は。」
そこで言葉がとぎれた。
神威は森の中でまた不思議な感覚を覚えた。
また風が吹く。
森が凛に話しかけるみたいに。
ザワザワと葉が揺れて凛はそれを見上げてる
何かが話しかけてるのか?
「・・少し、話しすぎました。忘れてください。」
風が止まった時凛はそう言った。
神威は会うたびに知っていく凛に完全に心を奪われていた。
以前の自分なら強引に簡単に自分のものにしようとした。
でも凛は違う。
そんなことをしても、簡単に自分のものにはならない。
ーーーー見えない透明な壁が間にある。壊そうとしても壊せない壁が。そんな感覚に囚われていた。