「この人お嫁さんアルカ？」

いきなりストレートに神楽が聞いたのを慌てて新八がフォローする


「す。すみません、なんか噂で・

屁怒絽さんがお嫁さんをもらったと、

それで凄くきれいな人だって・・」



見るからに強面の屁怒絽が可愛らしく頬をピンクに染めて
もじもじしながら彼女を見た

“新婚じゃねえか“と銀時が言おうとしたとき


「もう〜。困りますよ。彼女はお嫁さんじゃないですよ

住み込みで来てもらっている凛さんです」

「「住み込み〜〜〜？？？」」

3人ともが声をそろえて彼女を見る


相変わらず口元に笑みをたたえたままで

頷くその口元から声がこぼれた


「初めまして。万事屋さん、しばらくここでお世話になります。
凛です」


「よ。よろしくお願いします！」

背筋を伸ばした後90度のお辞儀をする新八に
思わず神楽が背中を叩いていった
 

「何を緊張してるアル？それともファンになったアルか？」


「い。いや、あの、その、。そうじゃなくてですね、」


意味の無い言葉を発する新八を見て
屁怒絽と彼女は顔を見合わせてほほえむ

そのほほえみが不気味な屁怒絽だが、頬を染めている


彼女の様子に変わりは無い

ふっと銀時は心の中で首をかしげた・・


「ああ、そうだ万事屋さんこれご挨拶に」


そう言って小さな紫の花の鉢植えを手渡された銀時は
もう一度じっくりと彼女の瞳を見た


どこかで見た光

わからないが初めてじゃないようなその瞳の光


気持ちを悟られないように飄々と

「ありがとさん」

そういって手をひらひらさせて背を向けた。


感情をどこか殺したようなその微笑みに何かを感じていたのは確かだった。


机に片肘をついて花びらをつつき。

なんなんだろうなと銀時はつぶやいた。


神楽は慌てて机の上から取り上げる

「大事にしないと屁怒絽が怒るアル」
そういって部屋を出て行く


その背中を見ながら花を大事にしないと確かに屁怒絽が怒るな、
こええ・・そんなことも思ったりする銀時だった。