一世一代の恋
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「気をつけて行ってきてくださいね」
屁怒絽が心配そうに何度も何度も繰り返す、
凛もすぐ帰るからと何度も何度も繰り返す
宇宙港で見送りにきた銀時たちもその様子に頭を掻いて苦笑いする。
「花を探しにいくだけですから、向こうにはエージェントもいますから
大丈夫、銀さん、屁怒絽さんちゃんと連れて帰ってくださいね。」
「ヘイヘイ、わかりましたよ。」
小さなトランクを一つだけ持って凛は船に乗り込んでいった。
惑星新涼・・小さな星、地球の半分もない星ではあるけれど
何種類かの絶滅危惧種の花が辛うじて残ってる星。
凛は流れる星の景色を宇宙船の窓から見つめていた。
地球に来るまでは一週間と開けずに宇宙船に乗っていた。
いつも・・いつも。すぐに移る場所を探して宇宙船に乗った。
・・次はどこへ行こうかと思いながら。
それがなぜか根が生え始めてる地球に・・・・
思わず笑ってしまう。
あと1時間で新涼に到着するというアナウンスが聞こえて
大きな欠伸をして背伸びをした。
「珍しい光景だね。」
後ろの席から聞き覚えのある声が聞こえて思わす体を伸ばし振り返ると・・
・・・にっこりと不敵に笑う・・三つ編みした男性が座っていた。
「後ろに座ってるっていうのに、全く気付いてないんだね。
全くもって無用心。」
「・・・わざわざこれに乗らなくても・・・あなたは船をお持ちでしょう?」
「たまにはよその船もいいもんだね」
空席になっている隣の席に座った神威は凛を見た。
「ねえ。凛さん。新涼へは何しに行くの?」
「花の苗とタネを引き取りに行くんだけど、でもあなたはなぜ?」
「・・名前覚えてくれないの?」
「・・バカ兄貴?」
「違う・・神威。」
「神威ね・」
「凛だよね。」
「ちょっと待って。呼び捨てはナシよ?
だって、私より年下でしょ?あなたにとってはおね〜さんよ?」
「・・じゃあ、お姉さんのこと教えてよ。」
ちらりと神威を見るとにっこりといつもの笑顔。
「名前は凛。かぶき町の屁怒絽さんの花屋さんのお手伝い、
生まれた星は全くなぜか記憶なし、
家族は父と祖父と双子の兄、
全員どこにいるか全くもって不明、多分生きてます。
年齢はとりあえず24歳・・・以上です」
「ねえ、聞いていい?」
「何をですか?」
「何回か見たんだけど、あのキラキラ手から出してたのは何??」
「え???いつ見ていたの?」
「部屋の窓とか、公園とか・・・俺以外は誰もいなかったけど」
凛は困った顔で神威を見つめたあと
「確認しますけど、春雨第七師団の団長ですよね、
普段は大抵宇宙にいらっしゃいますよね?
しかも貴方にあってから数ヶ月しか経ってないのに
そんなに地球に来るようなご予定がたくさんあるのでしょうか?」
お妙ならば近藤にもっと乱暴に言って殴ったり蹴ったり投げ飛ばしたりするだろうが
表面を取り繕うのがとてもうまい凛はいつもの笑顔を浮かべたままで問いかける。
「あるよ。だって貴女に前に言ったよね?
興味が湧いたからまた来るよって。それに地球の飯、うまいし。」
「来るなら直接いらしてください、あまり遠くから見られたりは好きじゃありませんから。」
半ば呆れ気味に言ったものの、神威はそうするよとあっさり返事をした。
「で、あのキラキラは何?」
結局凛は銀時にした説明をもう一度神威にする事になった。
内心ちょっとめんどくさいと思いながら。適応に抜粋して。
神威も宇宙を渡り歩いたせいか、意にも介さない感じで聞いていたけれど。