「いいっスか、先輩。後出し、ペテン無しっスからね」
「おう、わーかってるって」
「なあなあ、やっぱここは潔く一発勝負にしようぜ？」
「それで自分が負けても知らないぞ、ブン太」
「バーカ。俺が勝つに決まってっから言ってんだろぃ？」
「…確か丸井は最初にチョキを出す確立が高……」
「あ！ちょっ、そんなデータ取ってんなよ！」
「いいから早くジャンケンしましょうよ。俺、映画に誘いたいんスから」
「映画ぁ～？フザケンナ。今日は俺と朝まで過ごすんだよ」
「いくら明日が休みだからといって夜更かしはけしからんな」
「あーもう、おっさんは黙ってろぃ」
「(…おっさん……)」

「じゃ、いっきまっすよ～」

「「「「「最初はグー！ジャーンケーン…」」」」」



「っしゃーー！！勝利ーーーー！！」

「ちぇー、結局仁王先輩かよ」
「雅くん、何か細工したんじゃないの？」
「ジャンケンでどうやって細工すんだよ。差し詰め、愛の勝利ってとこか？」
「げぇ～言ってろよ…」


「皆さん、部室で集まってどうかしたんですか？」
「おぉ、ヒロ～♡♡ロマンスの神様は俺達の味方じゃ。さっさと帰ってお前の誕生日祝っちゃるからな♪」
「私の誕生日？それで集まってたんですか？」
「あー…まぁ…そんなとこ…」
「有難う御座います。あの…でも…お気持ちは嬉しいのですが…」
「ですが？」

「妹が私の為にケーキを焼いてくれたそうで。パーティの準備もしてくれてるとか…なので、今日は先に帰らせて頂きますね(にっこり)」




「きょ、強敵がおった……」
「…雅治、ラーメンぐらいなら奢ってやるぞ」