眼鏡女王
「悪いな、永四郎」
永四郎に、下のチビのために七夕飾りを作る手伝いを頼んだ。
デザインが趣味と言うだけあって、真四角の色紙が次々と形を変える。
手持ち無沙汰になった俺は、とりあえず麦茶を用意する事にした。
再び居間に戻った時、鼻歌が微かに聞こえてきた。
有名な曲だが、タイトルが思い出せずモヤモヤした。
ただ、自分の記憶の中の歌と聞こえてくる鼻歌に、若干の違和感を覚えた。
これはこんな切ない歌だっただろうか。
When you wish upon a star
ああ、そうだ、この歌は―――
君が星に切に願うものとは…
その胸中が知りたくて
君にもっと触れたくなる