眼鏡女王



「今日は特別にキミの望むことをしましょう」


どういう風の吹きまわしか、俺は口を開けたまま何も言えなかった。

なんかそういう事言いそうなヤツじゃないだけに、見返りが有りそうで恐い…

「俺にして欲しいことありますか?」
「あ?ああ…そうだな…」

でも、折角ヤツが俺の望むことしてやるって言ってんだ。
この好機を逃してなるものか。


胸触らせて

いや…


ケツ揉ませて

いやいや…


もっと他にあるだろ、大事なことが。
普段滅多に出来ないことをさせてやるんだ。

しかし、いざ具体的に何を、と考えると中々出てこない。

じっと、永四郎の顔を見つめて考える。


「…何も無いなら帰るよ」
いつまでも黙っている俺に痺れを切らしたようだ。
立ちあがりかけた永四郎の腕を思わず掴む。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!帰らないでくれ!」



「…………いいよ、一晩中付き合ってあげる」



俺がお前に望むこと――



「どうして欲しい?」




俺を愛して


俺だけを、いっぱい愛して

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