もがな
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「○○△△をしばらく見張って欲しい。」
小野妹子が大臣である蘇我馬子に呼び出され告げられたのは、最近聖徳太子に仕えだした舎人の監視の命だった。
「何か不審な点でもあるのですか?」
反対勢力を下し今や事実上の最高権力者となった馬子と、阿呆なところが目立つが馬子と共に戦い摂政となり人間離れした力を持つとまで噂されてしまう太子。快く思っていない人間も多い。
妹子はその舎人の良い評判しか耳にしておらず、女官に大層人気であることぐらいしか噂は聞かないので、そういった人間と○○△△が結び付かない。
「何も見ていないのか?」
馬子は苦虫を噛み潰したような顔で言う。それが妹子は全く心当たりがないことに対してなのか、○○△△に対してなのか、わからない。
妹子は自分の返答はこの策略家にどう思われるか、と思いつつ、
「···はい。見かけたことはありますが、太子と一緒にいるところはまだ見たことがないですし、直接話したこともなくて。」
と答えた。しばらく馬子は思案しているような顔をして、
「では仕事の合間で良いから○○を太子といるところも含めて注視してみてくれ。その上で君がどう感じたか報告して欲しい。太子には内密に。この間のように有給を使ってまではしなくていい。」
と言って去っていった。
妹子はなぜ自分が有給をとって太子を一週間観察していたことを知っているのだろうか、と疑問を感じたがあまり深く考えないことにして、増えた仕事をどの隙間にねじ込むか考えた。