もがな
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言ってしまった、言ってしまった、言ってしまった!△△が期待させるようなことを言うから勢いに任せて言ってしまった!!
△△はしばらく私が言ったことを処理できなかったのか、今まで私には見せたことがない間の抜けた顔をしていたが、ハッとした顔をした後、俯いてしまった。
「・・・ご冗談を。」
ついさっきまで様々な感情が入り交じって騒いでいた私の脳内が、あまりも悲痛なその声によって凍てついたように鎮まった。
「冗談なんかじゃない・・・。私は本気で・・・。」
「・・・・・・。」
まさか、こんなにも悲壮な面持ちにさせてしまうとは思ってなかった。そんなにも、嫌だっただろうか。そうだよな。嫌だよな。
「私にとって太子様のもとに一生仕えることが許されるのはありがたいことです。仕事のために結婚するなというのであれば従います。・・・ただ、それは、お戯れが、過ぎます。」
「すまない・・・。不快にさせて悪かった。」
△△は顔を上げてくれない。
「初めて△△に会ったときから笑顔が可愛らしいと思っていた。△△を出仕させてからも、私に裏表なく接してくれたのが嬉しかった。・・・年甲斐もなく舞い上がってしまった。」
「っひぅっ、うっ、うぅ」
「っ!?」
袖で顔を隠しながら△△は御簾を上げて出ていってしまった。ちらっと見えた目からは大粒の涙が溢れていて、血の気が引いた。
△△を失うばかりか、取り返しがつかないほどに傷つけてしまった。
間違えてしまった。
さっきまでかくれんぼをしていたのに。
半刻前が、遥か遠い昔のように感じる。