もがな
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
文を届けるよう頼んで、帰ってきてから△△の様子が少し可笑しい気がする。ちょっと時間がかかっているなとは思ってて、帰ってきた△△に聞いたら途中で妹子に会って少し話していたと申し訳なさそうに言った。
別に妹子と話すのは良いけど、内容が気になる。だって、手は動いているけど考え事をしているようなその顔を盗み見ると青くなったり赤くなったり忙しない。なんだろう。すごく嫌な感じだ。
「さっき馬子さんからお饅頭もらったんだけど△△も食べる?」
箱を差し出してみたら
「ありがとうございます。また後でいただきます。」
と、懐紙で包もうとする。
「私も食べるから今食べんしゃーい!」
「ふふっ。ではお茶をいれて参りますね」
△△が出ていった部屋で1人、ゴロンと転がる。ただでさえ今日は朝から珍しく仕事をちゃんとして疲れてたのに、やる気がゼロになった。お饅頭食べたら今日はもう終わりだ。何話してたんだろう。もやもやする。
とっとっとっ、と足音が聞こえて顔を上げると△△がお盆に湯飲みと急須を持って帰ってきた。
お待たせしました、とお茶をいれて湯飲みを渡してくれる。お饅頭は流石馬子さんがくださったものだけある。美味しいですねと微笑む△△はもういつも通りの笑顔だ。
「妹子と何話してたの?」
突然聞かれてびっくりしたのか△△は盛大に噎せた。
「ゲホッゲホッ、すいませっ、変なとこに、っはいちゃってっ、うぇほっ!」
「無理に喋んなくていいよ。」
申し訳なさそうに咳き込む背中を擦る。よっぽど聞かれたくないのかな、と悲しくなってきた。しばらくして落ち着いた△△は言い辛そうに口を開いた。
「······ちょっとあまり聞きたくない話を耳にしまして、」
「私の悪口とか?」
そう聞くと△△は吃驚した後、申し訳なさそうに頷いた。△△が悪い訳じゃないのに。
「それでちょっと、頭に血が上ってしまい、偶然妹子様にお会いして、どうやら私が不機嫌な顔をしていたので心配してくださって、話を聞いていただいておりました···。」
誰かに陰口を言われていた悲しみよりも、△△がそれに怒ってくれたことが嬉しくて、もやもやしていたものも吹き飛んで、衝動的に△△を強く抱き締めてしまった。
「った、太子、様!!」
ぎゅうぎゅうと締め付けるように抱き締めると、△△の早鐘のような心音を感じた。少し緩めて△△の顔をみると、柔らかそうな頬だけでなく耳まで真っ赤になっている。それがまた可愛らしくて、もう一度強く抱き締めた。