虚構のアイランド・2

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  • その1949

    20251130(日)20:22
    柄を上に向けた時、紅炎が激しく噴き出た。
    加減などないのかと言いたくなるほど、火力が強すぎた。
    周囲はしばらくの間、酸素不足になりそうだ。

    『ぬおっ?』
    扇浜が戸惑いの声を上げた。

    アイランド39

  • その1948

    20251130(日)20:19
    『燃華! サポートは済んだからな!』
    ボーデンさんが右手の親指を立てていた。
    あの細かい光線は、彼の差し金だった。

    もう、お膳立てはされている。
    右腕を燃やした《剣》の炎なら、全身も焼き尽くせるだろう。

    アイランド39

  • その1947

    20251130(日)20:17
    本当、手放した時にうまく立っていると感心したくなる。

    【レアリテ】の右手が柄を掴む。
    【アブソルテ・ゾル】は、レーザー光線から解放されていた。

    アイランド39

  • その1946

    20251130(日)20:11
    【アブソルテ・ゾル】が悉く浴びせられるので、接近は免れた。
    『ぐっ! 小細工しやがって!』
    扇浜の嘆きだった。
    私は無視して、柄を拾いに行く。

    金色の縦長の、左右の脚付きの四角い塔。
    柄を例えるなら、こんな感じだ。

    アイランド39

  • その1945

    20251130(日)20:07
    押し出そうとして、柄までの最短距離を崩しにかかってくる。
    ああ、もう、面倒くさい。

    しかし……私の懸念が薄れる結果へと変わった。
    【レアリテ】の背部から、細かいレーザー光線が発射された。

    アイランド39

  • その1944

    20251130(日)18:47
    半径50メートル範囲内に落ちたとされる、《剣》の柄。
    ちょっとジャンプして屈むだけで、拾えるはずだ。
    損傷だらけの【アブソルテ・ゾル】が突っ込んでくる。

    アイランド39

  • その1943

    20251130(日)18:44
    蚊帳の外にされていた扇浜が、大声で叫んでいた。
    『オラァ! デカブツを放置するなら、ペシャンコにしてやるよ!』
    【アブソルテ・ゾル】がまた、迫ってきた。
    飛び回る虫よりも厄介すぎる。

    アイランド39

  • その1942

    20251130(日)18:41
    ボーデンさんが私に全てを託そうとしている。
    これは、快く引き受けよう。

    「やります。今すぐに取りに行きます。見張りを頼みます」
    『ああ、わかった』
    ボーデンさんが答えた。
    他の仲間達も、首を縦に振っていた。

    アイランド39

  • その1941

    20251130(日)18:39
    アージンさんはボーデンさんに、問いかけていた。
    リーダー格の男が無反応なわけがなかった。

    『その通りだ。可能性があるなら、賭けてみるしかない。やれるな? 燃華』

    アイランド39

  • その1940

    20251130(日)16:05
    私は一瞬、疑った。
    「アージンさん、地図データには……」
    『金色に輝く物体を発見した! 運良く立った状態で着地したんだろうと思う! 一度拾ってみるといい!』
    『大丈夫かよ?』
    『これに賭けるしかない! そうですよね?』

    アイランド39