虚構のアイランド・2

記事一覧

  • その1969

    20251201(月)12:47
    未曾有の豪雨災害にて、晴れの日がなくなってしまった世界。
    綿菓子のように分厚い雲は、相変わらず空全体を覆い尽くしていた。

    奇跡もあった。
    一縷の光と、表現したくなるような……白く半透明な線があった。

    アイランド39

  • その1968

    20251201(月)12:44
    『なあ皆……今モニター見れるか? 空なんだけど』
    『はあ? お空?』
    ラウトさんの首を傾げる様子が映っていた。
    他の2人の大人達も、キョトンとした顔をしている。
    私も疑問に思い、モニターから空の様子をチェックした。

    アイランド39

  • その1967

    20251201(月)12:41
    ラウトさんの後に、またボーデンさんが続けて話していた。

    ブースターの噴射音と波の音だけが、コックピット内のBGMとして流れてくる。
    普段より大人しかったネロが、声を出した。

    アイランド39

  • その1966

    20251201(月)12:38
    ボーデンさんが聞いていた。
    答えたのは、探知の手慣れたアージンさんだった。
    『地図データの赤点は、全て消滅しました』
    『じゃあ、戻ってこないんすよね?』
    『みたいだな』

    アイランド39

  • その1965

    20251201(月)12:36
    __しばらくは、安否確認に徹していた。
    島の西の湾上に、【レアリテ】は飛んだままで。
    足裏のブースターからの風が、湾上に円状の波を形成していた。

    『どうだ? 這い上がってこれそうか?』

    アイランド39

  • その1964

    20251130(日)22:55
    【レアリテ】は湾内へ沈まなかった。
    代わりに、落としたい物を湾内へ無理矢理押し込んだ。
    燃焼した【アブソルテ・ゾル】。
    胴体はスリムになったどころか、中の部品まで丸出しになっていた。
    火の通りにくそうな部品も、黒く染められていた……。

    アイランド39

  • その1963

    20251130(日)22:50
    このままだと高熱で【レアリテ】も火傷する。
    豪速で、ある場所へ向かった。

    かつて、『大阪湾』と呼ばれていた、青い水辺。
    ダイブするように、【レアリテ】を急降下させた。

    アイランド39

  • その1962

    20251130(日)22:47
    『があ……こい、でも、したの、かあ……?』
    「何とでも言えばいいです。私は貴方を許さない。それだけは覚えておいてください」
    『めす……の……せ、に……、なま、い……な……』
    【アブソルテ・ゾル】の胴体を手のひらで握りつぶした。

    アイランド39

  • その1961

    20251130(日)22:43
    私にはこの機体に乗る男に対して、強い憎しみを抱いていた。
    限りなく、復讐がしたいと願っていた。

    「輝を連れ出したのは私です。ですが、輝を撃ったのは貴方です。
    彼を失わせた痛みを、存分に味わってください」

    アイランド39

  • その1960

    20251130(日)22:40
    燃え盛る火中の機体の胴体に、触れた。
    モニターの警告も、強く表示されていた。

    まだ終われない。
    右腕にまで炎が届きそうでも、【レアリテ】で胴体を握りしめる。
    手のひらの中心が爪で食い込んだ跡が残るくらい、強く。

    アイランド39