虚構のアイランド・2

記事一覧

  • その1016

    20241030(水)06:33
    扇浜の嘲笑いを表しているかのようで。

    「惨めねぇ。同世代の女子が、こんな牢獄に閉じ込められているなんて。」
    かわいそう。
    水希は口では同情しているように言った。
    本当に、口先だけだ。

    アイランド25

  • その1015

    20241030(水)06:25
    丁度、私が収容されている牢屋の前で、水希は止まった。
    くるりと、私と向き合った。
    私は牢屋内の奥の壁にもたれかかったまま、ぐったりと座り込んでいる。

    彼女はそんな私を見て、馬鹿にするように笑った。

    アイランド25

  • その1014

    20241029(火)06:05
    「ごめんね〜。今日は別の気分なの。」
    えへへ、と手をヒラヒラさせていた。
    笑顔を振り撒く彼女と対照的に消沈しきっていた私でも、行動ぐらいは見れた。

    歩みは、ピタッと止まる。
    靴底と床の擦れあう音が、聞こえなくなった。

    アイランド25

  • その1013

    20241029(火)05:50
    囚人の男達は歩く彼女にデレデレだ。
    「今日こそ俺の相手をしてくれよ!」
    「テメェ!俺が先約なんだよ!」
    寂しがり屋気質になってしまった男達は、彼女を求めていた。
    彼女はそれらを、軽くあしらった。

    アイランド25

  • その1012

    20241028(月)08:44
    水希か拘留場に訪れる。
    その時の男性の囚人達のテンションが上がった。
    ここではアイドルのように、彼女は人気者だった。

    「水希ちゃーん。」

    アイランド25

  • その1011

    20241028(月)08:41
    現在、彼女は[ノータブル]のパイロット部隊に所属している。
    部隊の人間が全員、虚像獣を倒す任務についているのではない。
    エリア毎においての対処だから、遭遇していないだけかもしれないが。

    アイランド25

  • その1010

    20241027(日)06:48
    特に彼女が敵対視しているような女性に対しては、侮辱の当たりが強い。
    身寄りのない者以外の若い正規軍の人のいくらかが、彼女が原因で辞めているのを知っている。
    常に崩さない笑みの裏側で、水希は酷い事をたくさんしている。

    アイランド25

  • その1009

    20241027(日)06:43
    誰に対しても印象が良いのであれば、全く問題ない。
    水希の場合、男相手と女相手で態度が変わる。
    男相手だと、可愛らしく鳴いて、惹きつけようとする。
    女相手だと…ちょっと小馬鹿にしたような発言をする。

    アイランド25

  • その1008

    20241026(土)06:46
    水希と私は、ほとんど正反対である。

    普段は静かな私と比べて、彼女は誰かとつるむと口を開きたがる。
    お喋りの絶えない人物だ。
    人によっては、当たりがいいと思われやすいタイプ。
    私よりも話しかけやすいかもしれない。

    アイランド25

  • その1007

    20241026(土)06:42
    彼女と仲がいいかと言えば、全く別の話。

    そもそも、出身自体は似た境遇ではある。
    彼女も、両親が既にいなかった。
    施設で育ったのも、私は知っている。

    性格が同じようになるのは、嘘である。

    アイランド25