虚構のアイランド・2

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  • その1559

    20250624(火)04:10
    ☆☆☆
    【ペンタグラム・レアリテ】の《剣》は、わずか一振りしか、縦に振っていない。
    あとは戦況を、眺めているだけであった。

    結局、私は、何もしてあげられなかった。

    アイランド36

  • その1558

    20250623(月)09:11
    【アンメア・ラーグ】の機体から、ミシミシと音が出てくる。
    軋む音が重なり、最終的に……爆発を起こした。
    一瞬の轟音とともに、煙も四方に広がった。
    他のロボや機体はそこそこ離れていたので、破片が軽く飛び散る被害で済んだ。

    アイランド35

  • その1557

    20250623(月)09:04
    「……クソがああああああ!」
    彼女の叫びは、当然コックピット内部に木霊する。
    回線を開いている少年達の耳には、伝わっている。
    彼らに、怯える様子はなかった。

    アイランド35

  • その1556

    20250623(月)09:00
    それ以上に、彼女に怒りの感情が込み上げてきた。
    可愛い子供達だからって、目を瞑っていたのに。
    今は馬鹿にして、見下してくる。

    腹が、立ってきた。
    制御不能で機体が動かない水希は、最後に強烈な叫びを残した。

    アイランド35

  • その1555

    20250623(月)08:57
    水希はもう、まともな声を発することができなかった。
    あんなに、素直だったのに。
    あんなに、怖がっていたのに。

    警告文と交互に表示される彼らの笑みが、恐ろしかった。

    アイランド35

  • その1554

    20250623(月)08:54
    逆に、年下の双子の少年達は、罵る言葉を口にした。

    『調子乗るなよ、アバズレ女』
    『全身汚れた女なんて、いらないよ』

    聞いた途端、無意識に水希は両手を離していた。

    アイランド35

  • その1553

    20250623(月)08:50
    一酸化炭素を吸い込まない為の、措置である。
    これで逃れられるとは思えない。
    何も講じないままでは、終われない。
    水希の取った仕草は、苦肉の策であった。

    【アンメア・ラーグ】を挟んだ2体のロボのパイロット達は、彼女に慈悲を与えなかった。

    アイランド35

  • その1552

    20250623(月)08:46
    手遅れと、なる前に……!
    水希はまだ健在である通信回線に向けて、必死に声を張った。

    「お願い!もう限界なのよ!助けて!」
    酸素も、減っているわ!
    その言葉の後、水希は両手で口を押さえた。

    アイランド35

  • その1551

    20250623(月)08:43
    コックピットのモニターの全てに、《ERROR》や《DANGER》などの危険を示す文字が、赤く点滅していた。
    照明も正常に作動せず、赤みを帯びた空間になっていた。
    正しい色ですらも認識できない。

    アイランド35

  • その1550

    20250622(日)06:25
    僅かな動作だけで獲物を捕獲できる優れた能力。
    炎の中の【アンメア・ラーグ】は、翻弄されっぱなしであった。

    水希よりも、機体の制御装置が認知していた。
    このままでは、壊れてしまうと。

    アイランド35