虚構のアイランド・2

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  • その1036

    20241109(土)06:37
    【ペンタグラム】は5人乗りの巨大ロボットだ。
    現時点で、1人が欠員している。
    これだけでも、[サウザンズ]にとっては深刻な事態だ。
    虚像獣への対抗手段の威力が弱まるのだから。

    アイランド25

  • その1035

    20241109(土)06:31
    …本当に、私は猛省しないといけない点が多すぎる。

    ネロの笑顔を取り戻したいが故に、自分勝手な思いで輝を連れ出そうとした。
    結果、大事になって…[サウザンズ]の皆に多大な迷惑をかけてしまった。

    アイランド25

  • その1034

    20241108(金)06:51
    水希の顔が、私の頭上スレスレまで近づく。
    頭部を鉄格子にくっつけてまで。

    「周りに気配りしないといけないの、あなたじゃないの?
    自分勝手な判断で、元アイドルを拉致しようとしてさ…。
    『おじさま』の手を、煩わさせないでくれる?」

    アイランド25

  • その1033

    20241108(金)06:47
    「もっと周りの事を考えなよ!
    病気になって倒れるだけでも、軍としては欠員が出るのよ!
    前線に出る人間なんて、貴重なんだから…。」
    「貴重?戦場に出たら散っていく運命にあるのに?」
    ウッ、と私は苦虫を噛み潰したような声を出した。

    アイランド25

  • その1032

    20241107(木)07:41
    「産めないからこそフル活用すれば良いじゃないのー。男達も喜ぶし、WIN-WINの関係でいけるじゃない。
    病気?なってしまえればそれまででしょ?」

    …やっぱり私と根本的に考え方が違う。
    強張った表情を保ったまま、私は水希を見上げた。

    アイランド25

  • その1031

    20241107(木)07:36
    どうしても彼女には、お灸でも添えてやらないといけないと思った。
    他人の心配をしている余裕はないのに。

    「あなた、もう少し自分の身体に気を使ったらどうなの?
    子供が産めないからって好き勝手にやると、いずれは壊すわよ?」

    アイランド25

  • その1030

    20241106(水)06:43
    「そこまで男好きじゃない!見境なく付き合いたいなんて思ってない!」
    「ちょっと。それだと私がアバズレ女だと言ってるようなもんじゃない?
    別に、痛くも痒くもないけど?実際、やっているし?」

    私は鉄格子を掴み、彼女をキツく睨みつけた。

    アイランド25

  • その1029

    20241106(水)06:38
    虎斑水希という人の心の奥底に下足で入るような女には、一言二言返さないと気が済まなくなる。
    その時は、訪れた。

    「男が好きだったら、正直に白状したら良かったのに。欲求を曝け出すと、楽になるわよ?」

    アイランド25

  • その1028

    20241105(火)05:31
    今更いい子ぶっちゃってさー。
    彼女の馬鹿にした笑い方は、崩れなかった。
    現在の立場の上下関係は、ご覧の通り彼女の方が上だ。
    罪を犯して囚人となった私には、何の権限がない。
    大人しく聞いているしか、術はないのだけど…。

    アイランド25

  • その1027

    20241105(火)05:27
    但し、間違えている点が1つある。
    彼女の言動に堪えていた私だが、ここで言い返すきっかけが出来てしまった。

    「違うわ!輝とそんな関係を持ちたいんじゃない!私は…。」
    「違わないでしょ?彼の意志を捻じ曲げて拉致しようとしたくせに。」

    アイランド25