虚構のアイランド・2
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その928
20240916(月)07:32今、街中の風景を、肉眼で確認できている。
夢かもしれない…と疑った。
動かせる両手で、頬に触れて、指で肉を摘んだ。
多少の痛みが、感じられた。アイランド23
その927
20240916(月)07:29市街地の現状について、公共事業に携わる人間でなければ、あまり関心はないだろう。
どんな人間でも、生物でも…気になっている事は『自分自身の命』である。
直前まで、怪物が食いつぶしにかかってきた筈だ。アイランド23
その926
20240915(日)04:30おかしい…と感じて、ようやく両目を開いた。
そこは、人々が逃げまとうせいで閑散となってしまった、市街地の姿であった。
ビル群の建物の他に、捨てられた車や自転車があった。
ほとんど、人が減っていた。アイランド23
その925
20240915(日)04:26自身の身体が怪物の牙に刺される…!
その感触が伝わってくる事は、なかった。
ずっと、目を閉じていた。
しかし、頑なに閉じていても、自分の身体に何の変化もなかった。
強い風で、肌寒く感じるだけ。アイランド23
その924
20240914(土)06:21立ち上がれない者は、自分の人生の最期を覚悟した。
もっと長生きしたかったと、残念に思いながら。
怪物の鋭い牙と真っ暗な口の中を凝視したくなくて、あえて両目を閉じていた。アイランド23
その923
20240914(土)06:17道中でつまづいて、転んでしまう者もいる。
再び立ち上がって走り出すまでには、時間を要する。
特に、怪物が接近してきている緊迫した状況では…わずかな時間でも命取りになりかねない。
アイランド23
その922
20240913(金)08:11とにかく、怪物から逃れたい気持ちが強かった。
彼らに、彼女達に、怪物に抗う術を持っていないから。
足の速さには、個人差が出てしまう。
走るのが遅い人間も、一定数存在する。アイランド23
その921
20240913(金)07:22乾いたコンクリートの上では起きにくいスリップも多発し、他車以外にも近くの建物にまで、衝突の被害が及ぶ。
ビルの壁や窓ガラスは見事に粉砕されて、中には全体が少し傾いてしまったビルも現れた。
事故による災害など、住民達は考慮しなかった。アイランド23
その920
20240912(木)06:47怪物から逃れたい気持ちが強い者から、己の愛車を道端に捨てて、一緒に走る。
運転が止まると…。
倒れた自転車のせいで逃亡者の一部が転倒する。
停止した車の後ろに、別の車が衝突し、爆発を起こす。アイランド23
その919
20240912(木)06:43住民達はひたすら走り続けた。
歩行者達はそのまま逃げられるだろう。
車や自転車に乗る者達は、そんなわけにはいかない。
交通ルールに強く縛られているので、気ままに方向転換はできない。アイランド23