虚構のアイランド・2

記事一覧

  • その1050

    20241114(木)09:23
    「…もぬけの殻と判明すれば、《虚像獣》が脅威じゃないと見抜くだろう。」
    「これって、俺達どころか、世紀軍に対する信用を失ったのと同じっすよね!
    ただでさえ、信用度が低いのに!」
    「やめろ!ラウト!」
    冷静なアージンだが、彼は怒鳴った。

    アイランド26

  • その1049

    20241114(木)09:19
    「ラウト…」
    「攻撃もできねぇし!住民達が逃げるのをやめたっすよ!
    街中が混乱したじゃないすか!」
    「落ち着け、ラウト…!」
    アージンがラウトの感情を抑えようとした。

    アイランド26

  • その1048

    20241113(水)06:40
    現在の集会でようやく、パイロット部隊は不満を吐き出せる。
    怒りの度合いが1番強いラウトが、先にこぼした。

    「あの怪物を地上に曝け出すとか、一体どうなってんすか!」

    アイランド26

  • その1047

    20241113(水)06:36
    [スロープ・アイランド]の市街地には、多くの逃げまとう人々がいた。
    今回の虚像獣には攻撃が不可能。
    感情を表に出ようが、内に隠そうが…ぶつけられないもどかしさでいっぱいだった。

    アイランド26

  • その1046

    20241112(火)06:52
    帰還中、パイロット部隊の3人は、リーダー格のボーデンから事情を聞かされた。
    「地上に彷徨う虚像獣は、まさに本当の『虚構』である。」と。
    すなわち、映画だと大迫力で暴れまくるような怪獣は、ただの映し出された薄っぺらい『像』だったと。

    アイランド26

  • その1045

    20241112(火)06:47
    終始悲しげな瞳で下を向いているネロと、怒りで歯ぎしり気味のラウトは、態度が丸わかりだった。
    出没した大量の虚像獣を倒せずに戻ってきた事が不満だったのか?
    否、それではない。

    アイランド26

  • その1044

    20241111(月)07:56
    戦闘時に連絡を入れたボーデンは、いつもの通り平静を装っていた。
    笑顔は全く見られないが。
    元々表情を崩さないアージンも、ボーデンと似たような面持ちだった。

    他の2人は、暗い雰囲気が露骨であった。

    アイランド26

  • その1043

    20241111(月)07:52
    ★★★
    【ペンタグラム】のパイロット部隊は撤退後、合体前のジェット機を降りて、司令室へと集っていた。
    [サウザンズ]総指揮官である堂山の指示があったから。

    部隊の人間の表情は、各々複雑だった。

    アイランド26

  • その1042

    20241110(日)08:24
    ああ、辛い。
    自業自得だと、自他共に認めているのに。

    隙間を快楽に捧げる人間だけが居座っていて…。
    本当に世界が良くなっていくのだろうか。

    私は、牢屋内の冷たい床に目を落とすしか、なかった。

    アイランド25

  • その1041

    20241110(日)08:21
    牢獄の中でね?
    アッハハハハハ!と高らかに笑って、水希は歩き始めた。
    私の前から、ゆっくりと去って。

    途中、男の囚人達が鉄格子から水希の身体に手を伸ばしていたが、彼女はヒラヒラと手を振るだけだった。

    アイランド25