虚構のアイランド・2

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  • その862

    20240815(木)06:43
    「名家じゃねぇよ!あそこは、あそこは…酷いとこなんだよ!」
    ネロは声を荒げると、自分の両手でベッドを叩いた。
    彼の心情に、悔しさが込み上げていた。

    ネロの反応に、状況をあまり知らない者は首を傾げていた。

    アイランド22

  • その861

    20240815(木)06:31
    自分の正体が、総指揮官の口から告げられたからである。

    「…何で。」
    「業務は任せていたが、君の事は、名家から引き取った時に知っていた。
    何年、この基地に就いていると思っている?」

    アイランド22

  • その860

    20240814(水)03:34
    今、彼の『やるべき事』が実行された。

    「ネロの出自は、[サウスフィールド家]だ。
    いや、実際は名家に引き取られたと言っても過言ではないか。」
    「!」
    ネロが堂山を見上げた。

    アイランド22

  • その859

    20240814(水)03:31
    総指揮官がそう告げると、周りの人間は黙るしかなかった。
    苛立ちと悲しみが入り混じった、医務室内の空気。

    それでも、堂山はやるべき事をやらなければいけないと決めた。

    アイランド22

  • その858

    20240813(火)04:07
    アージンは『あの時』を思い出し、堂山の意図を読んだ。
    「自分が、断りを入れた内容ですか?」
    「そうだ。真実を告げれなかったのだから、2人とも勝手に逸脱してしまったのだろう。
    今回こそは、全てを話そう。」

    アイランド22

  • その857

    20240813(火)04:03
    「理解、されにくい…?」
    ラウトの動揺は、アージンと朋美も同じだった。

    「あの時、はっきり伝えるべきだったな。」
    堂山が後悔の念をこめて言った。

    アイランド22

  • その856

    20240812(月)06:40
    「まあ待て、今から全てを話す。」
    ボーデンの制止も入った。

    いざこざが沈静化した所で、総指揮官が話を開始した。
    「この大事件のきっかけには、裏がある。
    それも、理解されにくい裏が、な。」

    アイランド22

  • その855

    20240812(月)06:34
    「調査…?」
    「調査もへったくれも、無いんじゃないんすよ!燃華は捕まったんすよ!」
    ラウトはぶつけられない怒りを、堂山に向けてしまった。
    一応階級も歳も上なので、怒りの程度は抑えた。

    アイランド22

  • その854

    20240811(日)05:43
    冷徹の裏には、彼なりの温情があった。
    それが次の発言である。

    「だが、事件の表側だけで片付けるには早すぎる。
    詳細については、まだ調査しきっていないのだからな。」

    アイランド22

  • その853

    20240811(日)05:38
    沈黙を破ったのは、[サウザンズ]の最高責任者であった。

    「今回の大事件は、燃華が悪い。
    当然、ネロも共犯者である。」
    堂山は冷徹に、事実を述べた。

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