虚構のアイランド・2

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  • その1170

    20250109(木)08:44
    基地外から連絡を入れた上官には、秘密を握っていた。

    『【ペンタグラム】も長く使えば消耗する。今後の継続の為、こちらでは新兵器の開発を進めていた。』
    「新兵器…?」

    アイランド28

  • その1169

    20250109(木)08:40
    【ペンタグラム】の概要程度ならば、そこまで直接関わっていないイーマス代表もご存知だ。

    堂山には、察しがついていなかった。
    架空の怪物の討伐が無駄足となった現在で、どうして基地内で所有する巨大ロボットが挙げられたのか。

    アイランド28

  • その1168

    20250108(水)07:39
    「仰る通りです。」
    堂山は肯定した。
    《虚像獣》が架空の化け物と広まる今まで、【ペンタグラム】には《虚像獣》の相手をさせていたのだ。
    [サウザンズ]総指揮官の中年男が、一番理解している。

    アイランド28

  • その1167

    20250108(水)07:36
    提案の有無を確認した彼は、逆に自分から出そうとした。
    それを告げる前に、ワンクッションを置いた。

    『【ペンタグラム】は、《虚像獣》討伐専用の機体だったな。』

    アイランド28

  • その1166

    20250107(火)07:45
    「いえ、誠に申し訳ございませんが…。
    今は防衛網を張るのに精一杯でして…。」
    『そう畏まる必要はない。扇浜少将が演説の台に立って間もないのだからな。』
    謹んでいる堂山を、代表は放念した。

    アイランド28

  • その1165

    20250107(火)07:35
    嘆くばかりでは、物事は進まない。
    イーマス代表もよく理解しているから、少しばかりの沈黙を破った。

    『少将。我々が尽くせる事は限られてくるとは思うが…現在の『島』の混乱解消への打開策はあるかね?』

    アイランド28

  • その1164

    20250106(月)09:19
    両者共に、明るい表情はなかった。
    顔が、やや下を向いていた。

    空気は重い。
    お互いの間に上下関係があるから、ではない。
    『島』の未来を憂いるからこそ、気持ちが沈んでいってしまう。

    アイランド28

  • その1163

    20250106(月)09:13
    「正直、南北の間に溝が深まり、人々の暮らしが悪化してしまうのではと、気がかりです。
    信憑性は低かったでしょうが、《虚像獣》の概念が健在だった頃の方が、住民達に活気がありました。」
    『人間、困り果てた時、何かに縋りつきたくなる気分に陥ってしまうからな。』

    アイランド28

  • その1162

    20250105(日)07:28
    「率直な感想を述べても…。」
    『構わん。[ノータブル]側には口外しない。君の思うがままに申し上げるといい。』

    堂山は代表から、発言の許可を得た。
    ありのままの今の心境を、彼は上官に告げた。

    アイランド28

  • その1161

    20250105(日)07:24
    ただ、純粋に何が目的なのかと思っていた。

    それは、堂山が問わずとも、代表の口から開かれた。
    『少将。君は現在の変わりゆく[スロープ・アイランド]について、どう考える?』

    アイランド28