虚構のアイランド・2

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  • その1056

    20241117(日)06:42
    「全員が目を瞑っています。
    虚像獣の出現は常に雲海上と固定されていましたから、住民達は辛抱しているんです。」
    「その通りだ。晴れ間の出ない空の下、住民達は耐えて暮らしている。
    我慢を続ける彼らには、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。」
    アージンの発言に堂山は肯定ばかりしていた。

    アイランド26

  • その1055

    20241117(日)06:35
    堂山は痛い所を突かれても、怯えなかった。
    「その通りだ。仮に虚像獣が『実物』であれば、[スロープ・アイランド]全域の被害はより拡大されただろう。
    行政で賄える保障だけでは、済まされなくなる。」

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  • その1054

    20241116(土)06:46
    「此度の件だが、隊員達はとても力を尽くしてくれた。
    虚像獣相手に果敢に挑もうとした勇気を、褒め称えたい。」
    「いつもの業務ですよ、総指揮官。あれが『フェイク』じゃなければ、街中はどうなっていたと思われますか?」
    アージンがちょっとした問いを投げた。

    アイランド26

  • その1053

    20241116(土)06:41
    感情の出し方に違いはあれど、堂山に対してつべこべ指摘する者はいなかった。
    司令室内に集められた隊員達は皆、軽く頭を下げた。

    集会は堂山の手により進行された。

    アイランド26

  • その1052

    20241115(金)06:56
    ここは総指揮官らしく、堂山が開始の挨拶を行った。

    「各自鬱憤を晴らせない中で、よく司令室まで集まってくれた。
    皆の協力に、感謝する。」
    堂山は頭を深々と下げた。

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  • その1051

    20241115(金)06:50
    注意された側のラウトは、舌打ちをした後に口を封じた。
    眉間にしわを寄せたまま。

    険悪なムードの最中、[サウザンズ]司令室内の緊急集会が始まった。

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  • その1050

    20241114(木)09:23
    「…もぬけの殻と判明すれば、《虚像獣》が脅威じゃないと見抜くだろう。」
    「これって、俺達どころか、世紀軍に対する信用を失ったのと同じっすよね!
    ただでさえ、信用度が低いのに!」
    「やめろ!ラウト!」
    冷静なアージンだが、彼は怒鳴った。

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  • その1049

    20241114(木)09:19
    「ラウト…」
    「攻撃もできねぇし!住民達が逃げるのをやめたっすよ!
    街中が混乱したじゃないすか!」
    「落ち着け、ラウト…!」
    アージンがラウトの感情を抑えようとした。

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  • その1048

    20241113(水)06:40
    現在の集会でようやく、パイロット部隊は不満を吐き出せる。
    怒りの度合いが1番強いラウトが、先にこぼした。

    「あの怪物を地上に曝け出すとか、一体どうなってんすか!」

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  • その1047

    20241113(水)06:36
    [スロープ・アイランド]の市街地には、多くの逃げまとう人々がいた。
    今回の虚像獣には攻撃が不可能。
    感情を表に出ようが、内に隠そうが…ぶつけられないもどかしさでいっぱいだった。

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